世界に誇る日本の鉄道

 乗る人がいれば、撮る人がいる。1872年に新橋~横浜間で開業した日本の鉄道は、この140年で単なる輸送手段から「愛でる」存在になった。そんな「鉄道への愛」が込められた本から、世界トップレベルの「誇り」を知る。

震災と鉄道 (朝日新書)

震災と鉄道 (朝日新書) 著者:原 武史 出版社:朝日新聞出版

日本の鉄道はこれでいいのか

 東日本大震災当日、早々と復旧を断念して首都圏でも大混乱を招いたJR東日本。かたや、被災後わずか5日で一部区間を復旧させ、その後も着々と手を打った三陸鉄道。対照的な2つの鉄道会社を引き合いに気鋭の政治学者が、被災地や過疎地にとって「なぜ鉄道が必要か」を熱く語る。
 被災地では半年後も、仙石線や常磐線など300キロ以上が不通のままで、復旧のめどが立たない路線も多い。一方で、過疎化・人口減少の時代にもかかわらず、新幹線の延伸やリニア計画が進む。日本の鉄道はこれでいいのか。鉄道の「いま」を語りつくす1冊。10月発売。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

日本の鉄道技術 (世界にはばたく日本力)

日本の鉄道技術 (世界にはばたく日本力) 著者:秋山 芳弘、こどもくらぶ 出版社:ほるぷ出版

世界にはばたく日本力

 世界をリードする新幹線の最先端技術を、子ども向けに解説している。「N700系はなぜ最高時速270キロでカーブを通過できるのか」「1日上下323本を走らせる東海道新幹線は、なぜ最短間隔3分で運転できるのか」など、大人でも知らない疑問に対して、日本の技術を海外に紹介する鉄道コンサルタントが丁寧に説明する。英仏海峡トンネルで活躍した日本の掘削機(シールドマシン)や、丈夫な日本製中古車両を輸出し、東南アジアで日本製車両が第2の人生を歩む姿など、世界に広がる日本の技術も紹介されている。特に「新幹線車両ができるまで」を、17枚の写真で解説したコーナーはマニア必見。9月発売。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

汽車ぽっぽ最後の時代: 昭和40年代追懐

汽車ぽっぽ最後の時代: 昭和40年代追懐 著者:原口隆行 出版社:国書刊行会

蒸気機関車が輝いた時代

 昭和40年代に全国に残存していた蒸気機関車の全形式を追いかけ、路線別に整理した写真集。昭和40年代は蒸気機関車が輝きを見せた最後の時代で、昭和51年3月に国鉄から営業運転最後の蒸気機関車が消えるまでを、約300枚の写真と撮影当時の思い出でつづっている。現在は廃線になった路線の記録も多く、郷土史そして昭和史として、懐かしく読める。
 筆者は2005年、68歳の時に国内最長片道切符を使って、11195.7キロを一筆書きで旅した鉄道研究家。鉄道への志は、昭和40年代の蒸気機関車への興味から始まった。10月発売。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

鉄道の世界史

鉄道の世界史 著者:小池 滋、和久田 康雄、青木 栄一 出版社:悠書館

世界の鉄道の百科全書

 「鉄道を通して世界の歴史を考える」という視点で、約50の国と地域の鉄道の歴史が紹介されている。鉄道発祥の地イギリスをはじめ、ヨーロッパ、中近東やアフリカ、オセアニアの情報を網羅する。19世紀後半から20世紀にかけては、大戦争や列強による植民地政策が、皮肉にも鉄道の発展に大きく寄与した。本書はその「責任」にも触れている。日本の鉄道本は多く出版されているが、世界の鉄道に関する書籍は少ない。百科全書的な性格を持つ本書は貴重だ。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904)) 著者:宮脇 俊三 出版社:角川書店

乗りつぶしは「自分のため」

 第5回日本ノンフィクション賞受賞作(昭和53年)。「乗り鉄」の大御所、宮脇俊三が中央公論社(当時)の編集幹部だった多忙なサラリーマン生活の週末に、国鉄全線約2万800キロを乗りつぶしたルポ。会社から駅に直行して金曜の夜行で発ち、月曜の朝には直接会社に戻る。「乗りつぶした証拠」はどうやって残しているのかと聞かれ、「自分のためですから」とひょうひょうと答える。
 観光旅行に出るのではない。ただ鉄道に乗るだけの旅とはいっても、そこに過剰な「鉄自慢」はない。深い洞察とユーモアあふれる筆致で、昭和の地方の情景が浮かび上がる。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道―全線・全駅・全廃線 (1) (新潮「旅」ムック)

日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道―全線・全駅・全廃線 (1) (新潮「旅」ムック) 著者:今尾 恵介 出版社:新潮社

鉄道地図帳の先駆け

 正縮尺の地図が載っている。これが「コロンブスの卵」だった。時刻表の路線図は地図がゆがんでいるために、乗っていてどのあたりを走っているのかわからない。正縮尺の地図に描かれた路線で、いま渡った川、前方に見える山がわかる。本のうしろには「駅名一覧」として各駅の沿革などを説明。「さらに、時刻表の駅名はひらがなですが、こちらは正確に表記。廃線も載せています」と、シリーズを企画した営業部の田中比呂之さん。
 田中さんは「完乗」(全国の路線の完全乗車)をすでに達成している鉄道ファン。自分がほしい地図帳を考え、企画として編集の重役に直談判、実現にこぎつけた。B5サイズの大きさも、「旅行カバンに入りやすい鉄道ファンにはなじみの大きさ」。会議で説明してもなかなか納得してもらえなかったが、「読者は見えていました」と田中さん。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

汽車旅放浪記 (新潮文庫)

汽車旅放浪記 (新潮文庫) 著者:関川 夏央 出版社:新潮社

乗り鉄作家の思い出

 「汽車」と言う癖が抜けない。子どものころの夏休み、海水浴や旅行には汽車で行ったものだ。蒸気からディーゼル、電気へと機関車の動力が変わるさまを目の当たりにしてきても、生活圏から遠くへ運んでくれるのは、「汽車」なのである。
 関川夏央著『汽車旅放浪記』は、著者6歳になる直前の55年秋、上越線急行で上京した思い出から始まる。日本も国鉄も、ひたすらな上り坂にさしかかろうとしていた時代。以来50年、いつ峠を越えたのだったか。「私の鉄道好きは、一九五〇年代への回帰衝動である」と言い、ローカル線で見かける「団塊鉄ちゃん」も同様だろうと思いやる。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

歴史でめぐる鉄道全路線路線別地図帳 no.1 関東 1 (朝日オリジナル)

歴史でめぐる鉄道全路線路線別地図帳 no.1 関東 1 (朝日オリジナル) 著者: 出版社:朝日新聞出版

歴史で知る鉄道旅

 車両基地や名だたる橋梁、トンネル、蒸気機関車の保存場所、車窓風景の案内などが、地図上にびっしり落とされている。さらに、その路線の全通に至る歴史もコンパクトに紹介されているから、これ一冊を手にして鉄道旅に出かければ楽しさ10倍。鉄道ファンには、たまらない。
 シリーズ100冊累計430万部を誇る『歴史でめぐる鉄道全路線』の路線地図を、エリアごとに編集した全6冊のシリーズ。全駅名の読み、区間距離、電化・非電化や単線・複線の別などのデータのほか、乗りつぶし図線も付いている。たどった線路をつぶしていく達成感も味わえる。11月18日創刊。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

ニッポン鉄道遺産を旅する

ニッポン鉄道遺産を旅する 著者:斉木 実、米屋 浩二 出版社:交通新聞社

列車に栓抜きがついていたころ

 「鉄道遺産」は鉄道マニアのジャンルの一つで、経産省が認定する「近代化産業遺産」にも、多くの鉄道遺産が登録されている。
 この本は、赤帽、腕木式信号機、転車台、夜行急行、ヘッドマーク、ボックスシートの栓抜きなど、国鉄時代から残ってきた鉄道の設備や施設を、写真と文章で紹介している。
 2002(平成14)~2005(平成17)年に、月刊『旅の手帖』に掲載されていた連載を加筆したもの。
 
 、

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

ページトップへ戻る