数学の迷宮を旅する

 この世界は、複雑なようでいて、単純。
 原材料はふたつしかありません。
 変わるものと変わらないもの。
 人の気持ち、社会の制度、物の価値、目に映る風景、事のよしあし。これらは一瞬のうちにか、長い年月をかけてか、時間の違いはあれど、今の姿が、そのまま永遠に続くことはありません。
 世界のほとんどは、こうした「変わるもの」でできています。
 ところがごく一部分に「変わらないもの」があります。
 「数学」もその一つ。
 ピタゴラスやユークリッドが頭を悩ませた問題、見いだした真理、これらは今後何千年の時を経ようと、変わることはありません。
 変わりゆく世界の中で、ほんの少しの、変わらないものを見つける——数学者はそのため、出口があるかどうかわからない迷宮に飛び込む探検家なのかもしれません。
 そんな数学という迷宮の奥深さを、気軽に楽しめる本を集めてみました。

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1) 著者:結城 浩 出版社:SBクリエイティブ

■「憧憬」と「忌避」のあいだで

 一般向けの数学書が、小さなブームだという。都内幾つかの大手書店で、平台陳列されているのを確認した。高等数学をかみ砕いて伝えるもの、中高の数学に再入門するもの、日常に密着した数学を詳述したもの、数学者評伝等、様々な系統がある。
 なぜ数学なのか。「数字は苦手!」と忌避する人が沢山(たくさん)いる中、数学にあらがいがたい憧憬(しょうけい)を抱く人も多いのかもしれない。ぼく自身そうだ。
■世界で最も確実
 数学的に証明されたことは、真理と言って良いという事実は格別に感じる。他……もっと読む

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