“今”を生き抜くための勉強法

 書籍出版の人気分野の一つに「勉強法」があります。たとえば、終戦から90年代にかけては、以下のような本が、ベストセラーランキングを賑わしました。

【1946年〜90年代のベストセラー】
論文の書き方』(清水幾太郎)
発想法』(川喜田二郎)
知的生産の技術』(梅棹忠夫)
知的生活の方法』(渡部昇一)
「知」のソフトウェア』(立花隆)
「超」整理法』(野口悠紀雄)
「知の技法」』(小林 康夫・船曳 建夫編)
(『出版年鑑』「戦後63年のベスト・セラーズ」を参考にしました)
 
 この傾向は近年になってさらに加速し「発想法」「思考法」など広い意味で「勉強法」を扱った本が、以前もまして目立つようになりました。
 背景には、この時代の求める、「知識」や「学力」のあり方が、以前とは変わってきたことがあるのかもしれません。
 経済が長期停滞する中、「いい大学、いい会社」に入りさえすれば安泰、という常識が崩壊し、「(受験のための)知識蓄積型の学力」への評価が下がる一方、経済のグローバル化とネットワーク化で、産業や事業をとりまく環境が猛烈な勢いで変化するようになり、膨大な情報やデータをまとめる「思考整理の枠組み、想像力」としての「学力」が求められています。
 春からのスタートに向けて、頭のリセット、してみませんか。

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書) 著者:瀧本 哲史 出版社:講談社

■時代を生き抜く「武器としての教養」

 東大助手を経てコンサルタント会社のマッキンゼーに入り、現在はエンジェル投資家・京大客員准教授として活躍する著者の、初の単著。過去の体験も、未来の予測も無効となった現代には、与えられた条件から正解を導く「計画」の発想から、ダイナミックに動く状況に応じて次々と札を出していく「カード」の発想に転換することが必要と説き、そのための思考法を訓練する。ロジカル・シンキングやディベートがベースだが、「決断」するための「道具」として使いこなす、徹底的に合理的な視点が新鮮。

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イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」 著者:安宅和人 出版社:英治出版

■「ニセ問題」と「本当の問題」を区別せよ

 問題解決の方法を解説した本は数多い。だがそもそも、目の前の「問題」は、ほんとうにいま取り組むべき価値を持ったものなのか? その解決は、自己の向上や、社会の改善に役立つのか? 「解決」よりも「問題」にまず着目し、真の「問題」=「イシュー」を見極め、それにこそ取り組むべきであると説く、ユニークな問題設定&解決の本。

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世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく 著者:渡辺 健介、matsu(マツモト ナオコ) 出版社:ダイヤモンド社

■ロジカル・シンキングの入門書

 MBAのコースやコンサルタントファームで実践されている、問題整理や思考の枠組み=ロジカルシンキングを、中学生でもわかるようにやさしく解説する。著者はハーバードのビジネス・スクールを修了後、マッキンゼーで働いた経験を持つコンサルタント。大部の類書が多い中、120ページとコンパクトな紙幅に、要点がすっきりとまとめられている。

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100の思考実験: あなたはどこまで考えられるか

100の思考実験: あなたはどこまで考えられるか 著者:ジュリアン バジーニ、河井美咲、向井 和美 出版社:紀伊國屋書店

■思考実験で頭を訓練

 ベストセラーとなったマイケル・サンデルの『ハーバード白熱教室』(早川書房)の魅力の一つは、欧米の大学の講義の雰囲気を、日本にいながらにして楽しめること。中でも印象的だったのが、次々と繰り出される「思考実験」。さまざまな仮定や条件のもと、判断の難しい選択肢が複数示される。著者(教師)は読者(学生)とともに、ベストな解決策を求めて試行錯誤する、という趣向だ。本書はこのような知的ゲームとしての思考実験を多数集めた問題集。

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実力大競争時代の「超」勉強法

実力大競争時代の「超」勉強法 著者:野口悠紀雄 出版社:幻冬舎

■グローバル化時代を生き抜く

 95年に刊行された『「超」勉強法』のアップデート版とでも呼ぶべき本。前著で披瀝された方法論をグローバル化に適応させた。日本人が日本人を相手に競争していた時代が終わり、誰もが外国を相手に競争せざるを得なくなる時代には、経済学でいう「シグナリング(能力の提示)」のための勉強(学歴や資格取得を目的としたもの)ではなく、自ら問題を発見し、設定する能力が必要。特に複雑な現実から「モデル」を作り、仮説と検証を繰り返していく「モデル思考」が重要だ——グローバル化を生き抜くための具体的方法論。

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これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~

これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~ 著者:酒井 穣 出版社:ビジネス社

■ロジカル・シンキングだけでは限界がある

 ビジネススクールで教えられている思考法(中でもロジカル・シンキング)に対する批判は、決して珍しいものではない。錚々たる学歴のMBAホルダーを擁した企業が、想像を絶するスキャンダルやミスで経営破綻したりするのを目にすると、その有用性を疑いたくなる。「前提から論理的に合理的に結論を導き出す」道具としてのロジカル・シンキングだけでなく、「前提を疑う」「条件を変える」発想法が必要だ。本書はこのような観点から、「ラテラル・シンキング(水平思考)」を鍛える方法を伝授する。

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記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)

記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス) 著者:池谷 裕二 出版社:講談社

■脳を衰えさせない方法

 年齢が上がるにつれ、確実に衰えるのが記憶力。常に学び続けることが求められる時代には、足かせとなることは事実だ。本書は脳科学の観点から、「記憶に残りやすい」覚え方、学び方をレクチャーする。専門的研究成果に基づき、具体的に解説してくれるので、本書自体が、非常に「覚えやすい」内容になっている。受験を控えた児童生徒から資格取得などを目指す大人にまで役立ち、脳科学の成果まで学べるお得な本。

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大学生のための知的勉強術 (講談社現代新書)

大学生のための知的勉強術 (講談社現代新書) 著者:松野 弘 出版社:講談社

■スタディ・スキルの定番書

 中等教育(高校まで)と高等教育(大学から)の大きな違いは、勉強の対象にある。中等教育では、答えのわかっている、あるいは答えのある問題に対して解答を得る手段を学ぶのが主眼であったのに対し、高等教育では、答えのわからない、あるいは答えがないかもしれない問題に取り組むことが目的となる。目的が違えば方法も違ってくる。本書は高等教育(学生)に必要なスタディ・スキルを具体的に伝授したベストセラー。

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選択の科学

選択の科学 著者:シーナ・アイエンガー、櫻井 祐子 出版社:文藝春秋

■「選択」の重要さ

 勉強法の特集の中ではひょっとしたら違和感を与えるかもしれない。しかし現代においては「選択」こそが究極の勉強法ともいえるのだ。「情報爆発」と言われるほどの規模で、データやファクトが濁流のように押し寄せ、渦を巻き、たちまちのうちに消えていく中で、目に見えるもの、手に触れるものすべてを吸収しようとすれば、正気を保つのは難しくなる。人の理解力には限界がある。であるなら、自分にとって必要なものと不必要なものをより分け、前者に集中する術をこそまず学ぶべきだろう。本書は厳格なシーク教徒の家庭に生まれ、若くして全盲となった社会心理学者が、「選択」の重要さ、不思議さを説き明かすスリリングな試み。

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