追悼 レイ・ブラッドベリ

 アメリカSF黄金期直前の1940年代にデビューし、長きにわたって書き続けたSF界の巨星、レイ・ブラッドベリが6月5日、ロサンゼルスの自宅で亡くなりました。享年91歳。
 ブラッドベリはハインライン、アシモフ、クラークの「SF御三家」と並ぶ人気を得ながらも、「O・ヘンリー賞」を二度受賞したように、叙情的な作風がSFという枠を超え、広く評価された作家です。
 現代SFの「最後の巨匠」の功績を、著名作品を中心に振り返ってみました。

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火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF) 著者:レイ ブラッドベリ、Ray Bradbury、小笠原 豊樹 出版社:早川書房

■人間の哀しさと愛おしさ

 人類が宇宙に進出した未来社会、火星への移民を開始した人類は、さまざまな不思議な現象に出くわす。年代ごとに描かれる火星への進出の歴史の中で、人類は時には全滅の憂き目にあい、時には母星から取り残され、植民は頓挫、やがて地球に大きな災厄が襲いかかるーー。
 舞台は火星、時は未来、使われる科学技術も高度だが、それらは物語を紡ぐ上での「道具」に過ぎない。時を経ても変わらない人間の弱さをテーマとした壮大な叙事詩。

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華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) 著者:レイ ブラッドベリ、Ray Bradbury、宇野 利泰 出版社:早川書房

■言論弾圧の危険性を指摘

 華氏451度は紙が燃えはじめる温度を意味する。本によって「有害な」情報が市民にもたらされないよう、本の所持は禁止され、本がみつかると消却処分になる。相互監視社会の息苦しさと思考力を失う社会の姿を描いた。

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キリマンジャロ・マシーン (ハヤカワ文庫NV)

キリマンジャロ・マシーン (ハヤカワ文庫NV) 著者:レイ ブラッドベリ、伊藤 典夫 出版社:早川書房

■「パパ」をもう一度死なせるということ

 銃による自殺、という悲劇的な結末を迎えたアメリカの国民的作家、ヘミングウェイへのあふれるばかりの愛を込めた表題作。タイムトラベルで死の前に遡った主人公は、「パパ」ヘミングウェイを「あるべき死」へと導く——その他、著者の特徴がよく表れた作品を集めた、叙情性たっぷりの短編集。

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ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)

ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫) 著者:レイ・ブラッドベリ、大西 尹明 出版社:東京創元社

■大人と子供の境目にしか見えない情景

 萩尾望都さんのコミック作品で日本ではおなじみ。いつの日かロケットで宇宙へ飛び立つことを夢見る少年達の憧憬と葛藤を描き、多数のジュブナイルSFの原型ともなった傑作。

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ブラッドベリ、自作を語る

ブラッドベリ、自作を語る 著者:レイ・ブラッドベリ、サム・ウェラー、小川高義 出版社:晶文社

■ブラッドベリの遺言

 さきごろ出版されたばかりのインタビュー集。10年にわたって取材した、ブラッドベリ研究の第一人者でもあるジャーナリストが、ブラッドベリの創作の秘密に迫る。性に対する考えなど、今まで知られていなかった情報が多く、ファンなら必携の内容になっている。

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さよなら僕の夏

さよなら僕の夏 著者:レイ・ブラッドベリ、北山 克彦 出版社:晶文社

おかえり、ダグラス――。永遠の名作『たんぽぽのお酒』で描かれた、あの夏の日がよみがえる。あたらしい物語は一年後、夏の終わりにはじまる。子どもたちを支配する老人たちとの戦い、時計塔の爆破、はじめての異性への感情……。人生との和解を学びはじめた少年の心の揺らぎをあざやかに描いた、名手ブラッドベリによる少年文学の最高傑作。

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