2014年に「ブック・アサヒ・コム」からアマゾンで売れた本(電子書籍を除く)のうち、上半期に売れた本以外の本を多い順に発表します。
 下半期1位(年間7位)は、9月17日の本紙BOOK TIMES (広告特集)に掲載された『本能寺の変——431年目の真実』。光秀の末裔が徹底的に史料を調査し、これまで流布した本能寺の変に関する定説に異を唱える新たな解釈に注目が集まりました。
 同2位(年間8位)は5月23日の本紙読書面「ベストセラー解読」に掲載された『資本主義の終焉と歴史の危機』。水野和夫氏のアベノミクスだのデフレだのとじたばたしても意味はないという説が、半年した今、実感できるような内容だ。
 3位(10位)は7月20日の本紙読書面「著者に会いたい」に掲載された『米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす』。米国人のフードライターが幼い娘とひと夏を東京・中野のアパートで暮らし、近くの店を食べ歩いたエッセーです。娘の好物が「くら寿司」とほほえましく、くすっとした笑いを誘います。
 年間17位の『チームブライアン』は、12月1日にブック・アサヒ・コムオリジナル記事を掲載してからわずか15日間でランクインし、五輪金メダリストの羽生結弦の人気を裏付けました。
 年間1位は、3月9日の本紙読書面「著者に会いたい」に掲載された『考証要集』。2位は3月7日の週刊朝日「話題の新刊」に掲載された、御厨貴『知の格闘─掟破りの政治学講義』で、3位の「作りおきサラダ」に大差をつけています。■上半期に売れた本はこちら

【文庫】 本能寺の変 431年目の真実 (文芸社文庫)

【文庫】 本能寺の変 431年目の真実 (文芸社文庫) 著者:明智 憲三郎 出版社:文芸社

■光秀の末裔が冷徹に分析した新たな解釈

 著者は、明智光秀を父とする於づる丸(おづるまる)の末裔(まつえい)である。本能寺の変に縁のある著者が、徹底的に史料を調査した結果は、私たちが歴史の定説として理解した内容と大きく異なるものであった。先頃、本能寺の変の10日前に記された長宗我部元親から光秀重臣への書簡が発見され、話題を呼んだだけに、著者の新説に耳を傾ける価値は十分にある。著者が注目するのは…もっと読む

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資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) 著者:水野 和夫 出版社:集英社

■金利ゼロが意味すること

 もうすぐ資本主義が終わるそうだ。そう聞いても驚かないのは、ぼくたち自身うすうすそう感じているからだろう。なんだか終わりそう、いやすでにもう終わっているかも。アベノミクスで景気回復などといわれても、まるで実感がないように。
 水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』の主張はとてもシンプルだ。資本主義は終わる、なぜならもうフロンティアが残っていないから。
 資本主義はフロンティア(周辺)を開拓することで…もっと読む

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米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす

米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす 著者:マシュー・アムスター=バートン、関根 光宏 出版社:エクスナレッジ

■勘で、ふらっと、普通の店で

 米・シアトル在住のフードライターの著者が、妻と幼い娘とともに東京でひと夏を過ごしたことを中心につづった食紀行エッセーだ。
 本になった経緯がユニーク。もともと米国で出版しようとしたがうまくいかなかったため、ネットで多くの人から少額の資金を集める仕組みを利用し、電子書籍として自費出版した。それを目にとめた東京の編集者が「面白い」と、日本で出版化を進めた。現在、3刷1万6千部と快調だ。「思いがけず日本で多くの方に読んでもらえてうれしいです」
 著者と娘は日本食好きで…もっと読む

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池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇

池上彰の教養のススメ 東京工業大学リベラルアーツセンター篇 著者:池上 彰 出版社:日経BP社

■教養なき実学は新しいものを生み出さない

 時事問題に関するテレビ解説では、いまや誰もが第一人者と認める池上彰。池上はマスメディアで活躍する一方、2012年春から東京工業大学リベラルアーツセンター教授として教鞭をとっている。
 リベラルアーツは、日本語では「教養」と訳される。かつて大学生がまだエリートだった時代には当然のように求められた教養も、進学率の上昇とともに「すぐには役に立たないもの」として軽視され、1991年にはじまった教養課程の改組によって必修ではなくなった。その後、学生はいきなり専門課程を学ぶようになり…もっと読む

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猫語の教科書 (ちくま文庫)

猫語の教科書 (ちくま文庫) 著者:ポール ギャリコ、Paul Gallico、灰島 かり 出版社:筑摩書房

■愛嬌振りまき手玉に取る

 猫がいかに思慮深いか、分かった気持ちにさせられるのが(1)『猫語の教科書』。猫がタイプした原稿という、驚きの設定でつづられた1冊だ。「人間の家をのっとる方法」にはじまり、「猫にとっての正しいマナー」「愛について」に至るまで、猫同士の会話を盗み聞きするようにして、愛すべき隣人(猫)とのスマートなつきあいかたを知ることができる。「これを読めば、猫がいかにして愛嬌(あいきょう)を振りまき、人間を手玉に取っているのかという空想が膨らみ…もっと読む

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チーム・ブライアン

チーム・ブライアン 著者:ブライアン・オーサー、樋口 豊、野口 美惠 出版社:講談社

■史上初 2人の金メダリストを育てた男

 羽生結弦、キム・ヨナと史上初めて2人のフィギュアスケーターを五輪金メダルに導いたカナダ人コーチ、ブライアン・オーサー氏が、その歩みを『チーム・ブライアン』(講談社)につづり、12月1日、東京・赤坂のカナダ大使館で記者会見を行った。11月8日に起きたGPシリーズ中国杯での羽生選手のアクシデントから、27日、NHK杯に出場するまでの秘話も飛び出した…もっと読む

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私が選んだ プロ野球10大「名プレー」 (青春新書インテリジェンス)

私が選んだ プロ野球10大「名プレー」 (青春新書インテリジェンス) 著者:野村克也 出版社:青春出版社

■名プレーに隠された秘密と神髄

今年は日本のプロ野球が始まって80周年にあたるという。本書はそんな歴史の節目にふさわしい内容だ。戦後初の三冠王など数々の記録を打ち立て、監督としても輝かしい功績を残した著者が、プロ野球史に残る10の名勝負・好プレーを選び、その舞台裏とともに語っている。
 一例を挙げれば、長嶋のデビュー戦。名投手・金田によって4連続三振というさんたんたる結果に終わったが、著者の見方は異なる。いかに六大学のスターだったとはいえ、…もっと読む

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なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 最強11神社―八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祗園・諏訪・白山・住吉の信仰系統 (幻冬舎新書)

なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 最強11神社―八幡・天神・稲荷・伊勢・出雲・春日・熊野・祗園・諏訪・白山・住吉の信仰系統 (幻冬舎新書) 著者:島田 裕巳 出版社:幻冬舎

■謎だらけの神々の特異性

 私が暮らす地区の氏神は、慶應大学三田校舎の東門脇にある春日神社だ。その神社の総本社が藤原氏の氏神、奈良の春日大社と知りつつ、私は毎年、初詣に出かける。おそらくは藤原氏の末裔が勧請したのだろう、このような分祀がくり返された結果、春日神社は全国に1,000社以上あるらしい。
 神社本庁の「全国神社祭祀祭礼総合調査」によれば、全体で79,355社ある神社のうち、八幡信仰にかかわるものがもっとも多い。その数、7,817社。春日信仰の7倍強だ。ちなみに、2位は伊勢信仰の4,425社。これらの数字を比較するだけでも、八幡信仰の圧倒的な広がりがわかる。
 しかし、『古事記』、…もっと読む

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税金を払わない巨大企業 (文春新書)

税金を払わない巨大企業 (文春新書) 著者:富岡 幸雄 出版社:文藝春秋

■この負担率の軽さは、やはり奇異だ

 この4月に消費税が8%に上がって以降、日本経済は誰が見ても停滞している。このような状況下で、安倍晋三首相はさらなる消費税アップを決断するのか……。国際公約だから上げざるを得ないとの見方が強いが、その一方で首相は、法人税の引き下げについては早々に明言している。経済界からの強い要請を受けて判断したらしいが、そもそも、本当に日本の法人税は高いのか?
 中央大学名誉教授の富岡幸雄は、実態を調べるため、2013年3月期の大企業の実効税負担率(法人税納付額÷企業利益相当額)に着眼。困難な作業の末に「実効税負担率が低い大企業35社」を割り出し、この『税金を払わない巨大企業』で実名を発表した。
 一見して、驚いた。たとえば1位の…もっと読む

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ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)

ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス) 著者:渡辺 佑基 出版社:河出書房新社

■90度くるりと倒せば納得

 鳥たちはいったいどこを飛んでいるのか、魚やペンギンはどんな速さで、どこまで深く潜るのか。動物の体に、位置や照度、深度などを測る記録計を取りつけるバイオロギングとよばれる手法で研究を進める生物学者が、これまで謎に包まれていた彼らの行動パターンや身体メカニズムをユーモラスに語る。
 データからわかるのは、人間は動物のことをまるでわかっちゃいなかったということ。ウェッデルアザラシは連続1時間も…もっと読む

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ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方 (光文社知恵の森文庫)

ビジネス・ゲーム 誰も教えてくれなかった女性の働き方 (光文社知恵の森文庫) 著者:ベティ・L. ハラガン、Betty Lehan Harragan、福沢 恵子、水野谷 悦子 出版社:光文社

■男性社会で働くコツ知った

 アナウンサーになって最大の壁にぶつかったのは2009年春のこと。フリーになり、初めて報道番組に携わったのですが、それまでの情報番組などの現場とは雰囲気が全く違ったのです。ぴーんと空気が張り詰めていて、なかなか現場に溶け込めない。同じテレビなのにこうも違うのか、と。働き始めて数年たち、ようやく仕事の基本がわかってきて、これから何をプラスしていくかを考えていた時期だったので、“ゼロ”地点に戻ったようで毎日悩み続けました。
 私は、落ち込んだり…もっと読む

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