少女マンガに「音楽」感じる 高野麻衣さん

2013年04月09日

ライターの高野麻衣さん

■ライター・たかのまい(33)
 「マンガって本来は音を奏でられません。なのに、クラシック音楽を聴くと感じる『キラキラ』を再現できてるって思うんです」
 1月に発表した『マンガと音楽の甘い関係』(太田出版)では、人気少女マンガに書き込まれた「音楽的なもの」の秘密を考えた。
 例えば、少女マンガに数多く登場するピアノを弾く「王子さま」キャラ。女の子があこがれる男の子の多くはなぜか、楽器が弾ける。運動神経が抜群のサッカー部の男の子が、実はピアノが弾けたり、ちょっと悪そうな「モテ男」が一人でバイオリンを弾くところに遭遇したり。一見、音楽とは関係のない物語であっても、音楽にかかわるものが盛り込まれているのに気付いた。マンガ家にインタビューしてみると、「音楽にあこがれて描いている」「音楽は切り離せません」との答えが返ってきた。
 物語だけではない。『夏のおわりのト短調』(大島弓子)、『いつもポケットにショパン』(くらもちふさこ)、『ピアニシモでささやいて』(石塚夢見)――。タイトルに音楽用語が使われた作品も多い。「音楽って、ときめきやあこがれを描くとおのずと奏でてしまうものなんですね」
 クラシック音楽の魅力にひかれ、「モーツァルトとドビュッシーの追っかけ」を自任するライターだ。学生時代に音楽史を学び、19世紀末の爛熟(らんじゅく)したヨーロッパ文化にあこがれた。
 大学卒業後、化粧品メーカーに就職したが、2005年に日本で初めて開催された音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ」に足を運んだ時に受けた衝撃をきっかけに、音楽専門誌を出版する会社に転職した。「上質な音楽と、いい意味でカジュアルな雰囲気。私が音楽の魅力と思う『キラキラ』があったんです」
 専門的でマニアックな知識より、バイオリンを見た時や楽器を奏でる様子を見る時などに感じる「心のときめき」を重視する。
 「衣食住と同じように音楽とつきあう。そういうのって見落とされていると思うんです」

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