102歳で句集「充実そのもの」 金原まさ子

2013年05月01日

俳人の金原まさ子=15日、横浜市内の自宅

 アラフォーならぬ「アラ百」で開花した俳人がいる。102歳の金原(きんばら)まさ子は、句集『カルナヴァル』とエッセー集『あら、もう102歳』(ともに草思社)を続けて出版し、「今が充実そのもの」と話す。
 「私の中には道徳的で常識的なA子と、不道徳で非常識的なB子がいて、両立している」とワイン片手に語り出した。エッセー集には、生い立ちや「モガ(モダンガール)」だった頃、夫の浮気や自らの不貞なども正直に書いた。
 99歳で出した句集『遊戯(ゆげ)の家』(金雀枝〈えにしだ〉舎)が「99歳の不良少女」という惹句(じゃっく)とともに俳句時評で取り上げられ、年齢を超越した新鮮な感性が注目された。100歳で始めたブログで一日一句を作り、今回の句集の元になった。
 「『遊戯の家』で少しB子が顔を出した」。金原の中のB子は官能的で妖しい世界を好む。「70代にして同性愛的世界に開眼した。腐女子なんです」と笑う。最近は自らの感性を全開させる。
 ・ヒトはケモノと菫(すみれ)は菫同士契(ちぎ)れ
 ・にこごりは両性具有とよ他言すな
 ・ユダと食いたし朝焼いろの草苺
 ・別々の夢見て貝柱と貝は
 「こんな俳句は結社では許されないが、ブログは自由」という。「毎日の更新はプレッシャー。でも楽隠居は早くぼける。別の意味で、私はアタマがイカれておりますけど」
 俳句を始めたのは49歳。一人娘が結婚して家を出たのを機に、近所の句会に参加した。その後、女性俳人の先駆けである桂信子の俳句結社「草苑」の創刊同人となった。
 年齢で注目されるのは自覚するが、「周りが期待するような人格者でも、かわいいおばあちゃんでもない」。「本当だけどウソ、ウソだけど本当」、そんな俳句作りをこれからも目指すという。

関連記事

ページトップへ戻る