ノーベル賞作家アリス・マンローの作品翻訳者は高松在住

2013年10月12日

マンローさんの「イラクサ」の邦訳書と原書を持つ小竹由美子さん

 10日にノーベル文学賞に選ばれたカナダの作家、アリス・マンローさん(82)の作品の邦訳者が高松市にいる。小竹由美子さん(59)。「現代短編小説の巨匠」と評されたマンローさんの短編集を邦訳してきた。「これを機に多くの人に読んでほしい」と話す。
 東京生まれ。22歳で結婚し、夫の郷里の香川に住み始めた。情報誌で地元の英語サークルを知り「周りに友達もいないし、英語も好きだから」と加入、めきめきと上達した。
 3人の子どもを育てながら、気に入った英語の小説をワープロで邦訳し、出版社に送った。2年以上続けた1995年、絵本の邦訳でデビューできた。
 マンロー作品は短編集「Open Secrets」(94年)の1編を訳して方々に送ったのが最初だ。その後、編集者から「マンローが好きでしたよね」と依頼が来た。それが2006年に邦訳が出版された「イラクサ」。「林檎(りんご)の木の下で」「小説のように」を訳し、邦訳が発売されているマンローさんの短編集4作品のうち3作品を手がける。最終作で年内出版予定の「Dear Life」も担当した。
 結婚後、本格的に小説に取り組み、家事や子育ての合間にタイプライターをたたいたマンローさんが自分と重なる。「女性の先輩として思い入れがあった。受賞は本当にうれしい」
 マンローさんの未邦訳作品は多い。「ごく普通の人間を鋭く観察するとこれほど面白いのか、という作品ばかり。もっと邦訳して、日本で多くの人に読んでもらいたい」と話す。

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