レトロ家電、愛込めツッコミ 大阪の収集家・増田さん

2013年11月19日

出版した著書「懐かしくて新しい 昭和レトロ家電~増田健一コレクションの世界」を手にする増田さん=大阪市北区天神橋6丁目の大阪くらしの今昔館

 レトロ家電や雑貨の収集家、増田健一さん(50)=大阪府枚方市=が、初の著書「懐かしくて新しい 昭和レトロ家電~増田健一コレクションの世界」(山川出版社)を出版した。増田さんのツッコミ風解説が付き、180点以上を写真で紹介している。
 増田さんは大阪市旭区に生まれ、高校時代からコレクターの道に。20年の国鉄(後にJR西日本)勤務などをへて、現在はビル管理会社に勤めつつ収集にいそしむ毎日だ。コレクションは昭和30年代のものを中心に約2千点。2年前から計4回、大阪と東京などで収集品の展示会を開催。2011年からは、「大阪くらしの今昔館」(大阪市北区)の特別研究員も務める。
 本は、アイデアが光る「ユニーク家電」▽懐かしの「お茶の間家電」▽かわいらしい「デザイン家電」▽主婦の家事の負担を減らした「主婦の家電」の章立てで紹介。例えば、トースト、ホットミルク、目玉焼きを一度に調理できるという「スナック3」の場合、トーストを焼く熱で目玉焼きを作るという製品だが、「朝の忙しいときにこのスナック3の前にずっといなければならないわけで……段取りがいいのか、いささか微妙~ではあります」と増田さんの解説が添えられている。
 傑作なのは、カラーテレビがまだ高価で庶民には手が出なかった時代の商品「ワイドカラースコープ」。薄く3色に色づけされたプラスチック板のことで、これを白黒テレビの画面の前に置くとカラーテレビになるような触れ込みだ。効能書きには「目の視覚を保護し絶対に目が疲れない」とある。「今なら間違いなく問題になりそうです……。いやいや大らかな時代だったのですね」
 増田さんは、家電の広告にも注目。「万能小型電気掃除機」の解説では「『完全』『万能』『永久』、昭和30年代の広告によく出てくるフレーズです。『この製品いいでしょっ!』と、カタイことは抜きにして製品への思いが伝わってきます」。初期のエアコンの「風速3メートル 屋根の下の軽井沢」というコピーも紹介している。
 豆知識や裏話が詰まったコラムも随所で掲載。「カラーテレビは東京五輪で普及した」という定説に対し、白黒、カラーテレビの普及率のグラフを用いて疑問を投げかけたり、昭和31年に枚方市で売り出されたテレビ付きの分譲住宅地について書いたり……。
 増田さんは「昭和30年代の家電には何事にも前のめりだった時代の勢い、面白さを感じる。この本を読んでそれを感じ、ほっこりして頂ければ」と話す。
 菊5判。税込み1680円。

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