推理小説400冊超 宮城が舞台の作品探し30年

2013年12月04日

書棚を埋め尽くす推理小説。手前の一部に、宮城が取り上げられている本が並ぶ=仙台市青葉区

 宮城が舞台の推理小説は、いくつあるのだろうか? こんな疑問を持った、推理小説愛好者で学校職員の菊池雅人(まさひと)さん(60)=仙台市青葉区=は、30年前から本を探し始め、400冊を超す本を集めた。仕事の区切りがつく2年後に、宮城が舞台に選ばれた理由などを分析することにしている。
 菊池さんは小学生のころから推理小説に関心があり、大学在学中に友人と同人誌「謎謎(なぞなぞ)」を出した。日本のハードボイルドの先駆者として評価の高い作家高城高(こうじょうこう)さんに手紙を書き、やりとりをインタビュー形式で紹介した記事は、推理小説評論家から絶賛された。
 熱心な松本清張ファンとなった菊池さんは、1968年に購入した「山峡の章」に、身近な仙台市の作並温泉が登場したことに、刺激を受ける。それがきっかけで、県内が舞台になっている本探しを始めた。
 仕事帰りに書店や古書店に立ち寄り、推理小説のページをめくる。手がかりは、本の帯や目次などに、宮城の地名が入っているか。最初は見過ごし、2回目、3回目に気づくこともよくあるという。取り上げられている場面が数行でも、迷わず購入している。
 集めた本の中で印象に残るのは、誘拐事件の身代金受け渡し場所として仙台城跡が登場する連城三紀彦の「造花の蜜(みつ)」や、風間一輝の「男たちは北へ」などという。
 「男たちは……」は、東京から仙台を経て青森まで自転車で旅行する主人公が、自衛隊がらみの陰謀に巻き込まれるというもの。仙台市の場面では、広瀬川近くに実在したビジネスホテルなどが登場する。当時の付近の様子を知る菊池さんは、親近感を持って読んだ。「虚構と実像が入り交じる小説の中で、実在した施設なのかを判断できるのは、地元の読者の楽しみの一つ」
 これまで集めた本では、松島や仙台駅、仙台城跡などの登場が目立つ。多くが好意的に取り上げられているが、仙台を「寂しい街」と表現した作品もある。
 今後も本を集め続け、現在取り組む仕事が一段落する2年後から、まとめにとりかかることにしている。「宮城が舞台といっても、実際にある街を取り上げている作品もあれば、架空の街を作り上げて描いているものもある。なぜそのような違いがあるのか。宮城に対する作家の姿勢などとともに調べたい」と菊池さんは話している。

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