娘と父親が迷い込んだのは…… 「星の民のクリスマス」出版

2014年02月18日

古谷田奈月さん

 娘と父親が迷い込んだのは、一年中、雪が光り輝く国。それはかつて、父親が娘のために書いた物語の世界だった――。そんな不思議で心がときめく物語「星の民のクリスマス」を、千葉県我孫子市の古谷田奈月(こやたなつき)さん(32)が新潮社から出版した。古谷田さんにとって、記念すべきデビュー作だ。

 クリスマスは古谷田さんにとって、小さなころから特別なイベント。小学5年生までは、サンタを信じていた。「母親から『サンタはお父さん』と聞いても、サンタを信じていた時の気持ち、サンタに手紙を書いていた時の気持ちまではなくならなかった。本当のことより、大切にすべきことがある」。そんな思いが大人になるにつれ熟成し、物語へとつながった。
 4、5年前から、一つの形にまとめることは考えず、書きつづってきた。昨年2月、父親が亡くなり、「自分と父親の関係を見つめ直したい」と、一気に書き直した。できあがった作品を日本ファンタジーノベル大賞に応募したところ、昨夏、大賞に選ばれ、デビューへの道が開かれた。
 保育園のころからお話を作るのが好きで、1枚の絵を描くにも細かな設定を考えていた。小、中学校時代は、自分のペースでいる方が心地よく、学校には通わなかった。「自分はものを書くタイプの人間」と、大学を卒業後、執筆を本格化させた。
 出版は昨年11月。書店の棚に自分の本が並んだことより、読者からの反応が返ってきたことに興奮した。「本を読む楽しみを思い出しました」。そんな感想に「自分の本が誰かの心を動かした」と、手応えを感じる。
 ファンタジーへの挑戦は今回が初めて。もともとは純文学作品が多い。これからも「ジャンルにこだわらず、書いていきたい」。年内には次回作を出したいと準備する。「今は、目の前のことに必死。ずっと書き続けていたいですね」

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