「モモちゃん」刊行50年 松谷みよ子、シリーズ6冊600万部

2014年03月18日

作家の松谷みよ子=東京都練馬区、西田裕樹撮影

■家族モデルに日常描く

 児童文学作家、松谷みよ子の代表作「ちいさいモモちゃん」(講談社)が今年、刊行50年を迎えた。「モモちゃん」シリーズ6冊の累計は600万部以上と児童文学作品では異例のロングセラー。3年後に出版した赤ちゃんのための絵本「いないいないばあ」(童心社)も550万部を超え、幅広い読者に読み継がれている。
 誕生日の2月15日に都内であった米寿を祝う会で、作家生活60年をこえた松谷は「まさかここまでやってこられるとは。みなさんに出会えたことに感謝したい」とあいさつした。
 松谷は作家の坪田譲治に師事し、24歳で作家デビュー。「ちいさいモモちゃん」は、モモちゃんと家族の日常をファンタジーを織り交ぜて描き、64年に野間児童文芸賞を受賞した。
 シリーズの一家は松谷の家族がモデル。「長女を産んで、1人の赤ちゃんが育つことがこんなにも魅力的なんだということを書きたいと思った」と振り返る。
 野菜や動物と会話する無邪気なモモちゃん、働きながらモモちゃんを一生懸命育てるママ、悩んだ末に離婚を選んだパパとの関係など、その内容は今も色あせない。当時、児童書で離婚を取り上げたことは珍しかった。「世代が違っても、感じるものは同じ。最近も『自分のことを書いている』と言ってくれる人がいましたよ」と笑う。
 「いないいないばあ」は当時ほとんどなかった0歳児向けの絵本。「松谷みよ子 あかちゃんの本」としてシリーズになり、4年間で9冊刊行した。童心社の酒井京子取締役会長は「文と絵が子どもに語りかけている。幼い頃に読んでもらった親が書店で見かけてまた手に取るという、ロングセラーの典型です」。
 「モモちゃん」シリーズでは反戦、核実験など、戦争と平和も考えた。「ふたりのイーダ」「私のアンネ=フランク」などの反戦作品が続く。「私が若い時代には戦争があったけれど、これから、戦争に駆り立てられるような時代にはしたくない。子どもたちのためにも戦争がない社会を願っている」。平和への思いを持ち続けている。

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