苦しんだいじめ「孤高な人になる」 作家・嘉成晴香さん

2014年06月10日

児童文芸新人賞を受賞した嘉成晴香さん

 かなりはるか(27歳)

 子どもの頃から、友達づきあいが苦手だった。いじめに悩んだ時期もある。「つらい思いをしている人に届けたい」。願いをこめた物語が、日本児童文芸家協会の第43回児童文芸新人賞に選ばれた。

 『星空点呼 折りたたみ傘を探して』(朝日学生新聞社)は、さまざまな問題を抱える若者たちを描いたファンタジー。いじめられている少女、引きこもりの兄がいる少年、将来に夢を持てない会社員。事故死したはずの少年との不思議な交流を機に、3人は新しい一歩を踏み出す。

 自身は中学の頃までいじめに苦しみ、高校でも友人関係をうまく築けずに悩んだ。「孤立するんじゃなくて、『孤高な人』になるんだ」「好きなことをやってると、気が合うやつと出会える」。登場人物たちの言葉は、あの頃の自分と同じ境遇の人たちに伝えたい思いと重なる。

 つらかった頃、本を読めば物語の世界に旅立つことができた。自ら書き始めたのは中学生の頃。朝日学生新聞社児童文学賞を昨年受賞し、朝日小学生新聞に連載されたのが、今回の受賞作だ。「閉じこもっている人の窓になるような作品を書いていきたい」。大阪市の日本語学校で講師を務めながら、次作に向けて執筆に励む。

星空点呼 折りたたみ傘を探して

著者:嘉成晴香(かなり・はるか)、柴田純与(しばた・すみよ)
出版社:朝日学生新聞社

表紙画像

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