コーヒー片手に科学談義 サイエンスカフェが人気

[掲載]2012年09月10日

サイエンスカフェの様子。メタンハイドレートについて理系漫画家の小林早野さん(右)の漫画を映し出しながら解説する=新潟市中央区 拡大画像を見る
サイエンスカフェの様子。メタンハイドレートについて理系漫画家の小林早野さん(右)の漫画を映し出しながら解説する=新潟市中央区

ロボットの仕組みを講師から教えてもらう子ども=新潟市中央区 拡大画像を見る
ロボットの仕組みを講師から教えてもらう子ども=新潟市中央区

 科学者と一般の人が喫茶店でコーヒーやお茶を飲みながら気軽に「科学」を語り合う「サイエンスカフェ」。新潟でもこの5年間、JR新潟駅南口の書店で毎月1回、「サイエンスカフェにいがた」が開かれてきた。スタッフも講師もすべてボランティア。それぞれ、「理科教育を広めたい」「自分も楽しみたい」とさまざまな思いでカフェを切り盛りしていた。
 「上越沖にはメタンハイドレートが眠ってるんですよ」。新潟市中央区のジュンク堂書店新潟店の地下1階で8月下旬、新潟高度情報専門学校講師の相馬稔さん(37)が語りかけた。会場は、吹き抜けのエスカレーターを降りたところにある喫茶スペース。十数人がコーヒーやジュースを飲みながら耳を傾けた。
 上越沖では2007年にメタンの撮影に成功。メタンの近くにはベニズワイガニが集まる調査結果もあることから、相馬さんらは「カニをきっかけにエネルギーに関心を持ってもらい、地域を盛り上げよう」と「プロジェクトCANI」を立ち上げた。
 子どもに、専門学校生が作ったカニロボットに触れてもらう取り組みを始めている相馬さんは、この日のカフェでも「カニロボットを話題にして新潟を元気にしたい」と語った。
 「理系漫画家」の小林早野さんも登場し、新聞に掲載された自分の漫画を映し出しながら、メタンや、プロジェクトの意義を分かりやすく伝えた。「カニを食べながらエネルギーや新潟の活性化について考えましょう」と話し、笑いを誘った。
 カフェができたきっかけは事務局幹事で大学教員の本間善夫さん(59)が「科学離れを食い止めたい。新潟でもカフェで理科教育に興味を持ってもらえないか」と考えたことだった。
 当時、ちょうど新潟駅の隣にジュンク堂書店ができたばかりだった。当時の店長にかけ合うと、喫茶スペースを無料で貸してもらえることになった。
 運営はボランティアのスタッフが担い、訪れるゲストや講師もすべて無償だ。参加者は飲み物代の400円を払うだけ。スタッフの一人は「講師やゲストはカフェがなければ出会えなかった人ばかり。自分が楽しんでいます」。カフェの後にある交流会で、より突っ込んだ話ができるのを楽しみにしている人もいる。
 07年8月から月1回のペースで開いてきたカフェは60回を数えた。多彩な講師が出るため、富山や京都など県外から常連の参加者が来るようになった。
 本間さんは今後、フェイスブックやツイッターを通し、県内の教育機関との連携や、来たことのない人へのPRに力を入れる。「最先端の科学を知ったり、大人から子どもまで楽しく学んだりできる。科学を身近に感じてほしいですね」
 書店側にも刺激を与えている。同店の杉山肇さん(35)は、カフェのあるときは、そばで講師の著書や内容に合わせた本を販売している。「『週末にふらっとのぞいてみたら、何か楽しいことをやっている』という書店がいい。人が集まってくれることがうれしい」と話している。(水野梓)

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