「便利」手放す楽しさ紹介 一家6人、生活費は月7万円

2013年09月19日

扉をはずし、棚として使う冷蔵庫の前に立つ大庭さん=秦野市

 ガスや冷蔵庫、エアコンや車を次々にやめ、家族6人と犬1匹が月7万円で暮らす。神奈川県秦野市の主婦、大庭聡恵(あきえ)さん(47)一家。元漫画家の腕を生かし、その節約術をコミックエッセーにまとめた。
 「便利だと思っていたものを一つ手放すたび、発見や工夫が生まれる。癖になる楽しさ」と話す。
 大庭さんは、根っからの「節約好き」ではなかった。15年前、秦野市に建てた念願のマイホームには床暖房やジェットバス、大型食洗機などを完備していた。「新築がうれしくて、憧れでいろいろ付けちゃったんです」と薬剤師の夫、秀樹さん(47)は苦笑いする。
 しかし、10年ほど前、停電をきっかけに一家で早寝し、翌日の爽快感に感動。ライフスタイルを見直して、徹底した節約への挑戦を決意した。秀樹さんが生活費を月7万円に抑える目標を掲げ、30年の住宅ローンを、7年で完済することに成功した。
 ガスを止めて電気だけにし、料理は電気ポットやホットプレートに変更。車をやめて自転車に、テレビをやめて週1回のDVDに……。次々に「なくてもいいもの」を発見していった。ローンが終わるころには、朝5時起床、夜9時就寝。暑ければ水浴び、寒ければ厚着。手先が器用で工夫好き、体が丈夫な一家ができあがっていた。
 小2から大学生の4人きょうだいがよく従うと思うが、「親がきちんと方向性を示せば、分かってくれるし、当たり前になる」。遊びに来る子どもの友達も、洗濯排水をバケツで流すトイレを「エコだね」と言ってくれるという。
 東日本大震災後には、原発事故の深刻さに衝撃を受け、冷蔵庫もやめた。ほぼ10年ぶりに描いた「びっくり節約生活!一家6人+1(ワン) 月7万円」(二見書房)の執筆動機も、震災だったという。電気が足りない、物がないという当時のパニックを見て「何にもなくても何とかなる。こんな家もあるから心配しないでと言いたくなった」と出版社に原稿を持ち込んだ。
 今年2月の発売以降、テレビ局の取材が相次ぎ、「放送は見られないんだけど」と言いながら、一家で楽しんでいる。

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