羽生結弦、GPファイナル間に合う ブライアン・オーサー『チーム・ブライアン』記者会見

[掲載]2014年12月01日

GPファイナルに向けた練習メニューを見せるブライアン・オーサー氏=カナダ大使館 拡大画像を見る
GPファイナルに向けた練習メニューを見せるブライアン・オーサー氏=カナダ大使館

著書を手にするブライアン・オーサー氏=カナダ大使館 拡大画像を見る
著書を手にするブライアン・オーサー氏=カナダ大使館

表紙画像 著者:ブライアン・オーサー、樋口 豊、野口 美惠  出版社:講談社

 羽生結弦、キム・ヨナと史上初めて2人のフィギュアスケーターを五輪金メダルに導いたカナダ人コーチ、ブライアン・オーサー氏が、その歩みを『チーム・ブライアン』(講談社)につづり、12月1日、東京・赤坂のカナダ大使館で記者会見を行った。11月8日に起きたGPシリーズ中国杯での羽生選手のアクシデントから、27日、NHK杯に出場するまでの秘話も飛び出した。

 オーサー氏によると、羽生選手は9日に東京に戻り精密検査を受けたあと、仙台で9日間のオフを取った。オーサー氏は指導するスペイン選手ハビエル・フェルナンデスのモスクワの大会に同行したため、その間、羽生選手とは毎日Eメールで回復の状況をチェックした。練習を開始してからは、頭部に問題はなく、脚と足首のけがのため2日間はスケーティングだけ。3日目にはジャンプを飛び始めたという。「羽生選手はたやすくジャンプをこなしてしまうタイプであり、ジャンプが比較的すぐにできるようになってしまったことは驚くべきことではありません。スケートをする者にとって氷上は一番安心できる場所なのです。ただし、NHK杯までの練習の時間としては、足りなかったのだろうと思います」と振り返った。
 羽生選手の状態を実際に確認したのは、大阪でのNHK杯の非公式練習だった。「結弦自身もやっと氷の上に戻れてほっとしている様子でした」と言う。その際に選択肢を2つ用意していた。「プランAはNHK杯に出なくても構わないという選択。彼はグランプリファイナルも、五輪も世界選手権も優勝しています。それでも出る場合のプランBは、コンディションにあわせてジャンプの順番を変えるなど、もっとシンプルなプログラムに変更するものでした。彼はそれを判断した上で出たいと主張し、強い決意を持っている彼に私が反対する理由はありませんでした」
 出場を決めたGPファイナル(11日開幕・バルセロナ)に向けて、羽生選手は日本で調整を行う。オーサー氏は「わたしは今晩カナダに帰国しますが、あと1週間で毎日なにをどのように練習するか、細かくメニューを書き出した紙が手元にあります。この内容を見たら、本人はいやがるだろうなあと思いますが(笑い)。これを結弦が緻密にこなしてくれれば、大丈夫、羽生結弦のあるべき姿になれるはずだ、と言ってあります」と自信をのぞかせた。

 著書の目玉はオーサー氏と羽生選手がソチ五輪を振り返る長い対談。五輪後半年経ちカナダで対談したのが、2人でソチを振り返る初めての機会になった。「そのとき初めて結弦の解釈も聞き、わたしにとってもセラピーのような時間でした」と言う。
 カナダのフィギュアスケートは、五輪で金メダルを取ったことがない。オーサー氏自身、1984年のサラエボ五輪、88年のカルガリー五輪で2つの銀メダルに泣き、ソチではカナダ悲願の金を狙ったパトリック・チャンも銀メダルに終わった。そのライバルとなった日本人と、スペイン人を指導することへの葛藤も、素直につづっている。
 「ミスター・トリプルアクセル」と言われたオーサー氏は、40歳を過ぎても3回転ジャンプを跳べるほどテクニシャン。指導法や審判への提言、メディアとのつきあい方、またキム・ヨナとの突然の別れなど、フィギュアスケートの酸いも甘いも著書で広く触れている。
 
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この記事に関する関連書籍

チーム・ブライアン

著者:ブライアン・オーサー、樋口 豊、野口 美惠/ 出版社:講談社/ 発売時期: 2014年11月


YUZURU 羽生結弦写真集

著者:羽生 結弦、能登 直/ 出版社:集英社/ 発売時期: 2014年10月


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