「世界で最も美しい本」 文字組みと装丁のバランスを評価

[掲載]2015年01月28日

<金の活字賞> 『メレット・オッペンハイム』(スイス) 拡大画像を見る
<金の活字賞> 『メレット・オッペンハイム』(スイス)

<栄誉賞> 『トットリッチ』(日本) 拡大画像を見る
<栄誉賞> 『トットリッチ』(日本)

「世界のブックデザイン2013―2014」展 拡大画像を見る
「世界のブックデザイン2013―2014」展

表紙画像 著者:岡田 ユアン  出版社:土曜美術社出版販売

 デザインや装幀、レイアウトやタイポグラフィー(活字のレイアウトなどの表現)の美しさを競って選ばれた2014年の「世界で最も美しい本」が、東京都文京区の印刷博物館で2月22日(日)まで展示されている。「日本・スイス国交樹立150周年」を記念した特別企画「スイスのブックデザイン」には、戦後の美しい本が並んだ

■「世界のブックデザイン2013―2014」の写真特集はこちらから

 「世界で最も美しい本コンクール」は毎年3月にドイツ・ライプツィヒで開かれ、今回は30の国と地域から570点の応募があった。「世界のブックデザイン2013―2014」展には選び抜かれた入賞作など約160点が並び、日本、ドイツ、オランダ、スイス、中国、オーストリアの「美しい本」の他、初めてイランの本がお目見えした。
 金の活字賞にはスイスの『メレット・オッペンハイム』が選ばれた。女性芸術家の書簡集で、大量の書簡のファクスのばらばらなテキストを、読み手に負担を感じされずに読めるよう配置した。金賞の『ブフナー・ブリュンドラー』(ドイツ)は建築書。背にはタイトルだけでなく内容紹介文が、本文に使った細字のタイポグラフィーで記載されている。
 印刷博物館学芸員の寺本美奈子さんは今年の入賞作の傾向を、「文字組みの考え方を強く持ち、中から外側(装丁)がつくられているものが評価されています」と説明する。一見、装丁は地味でも、その中身をきちんと説明できる「中と外のバランスのいいもの」が選ばれた。
 特別企画「スイスのブックデザイン」では、、第2次世界大戦後に発行された美しい本が立体的に展示されている。スイスを中心にヨーロッパで活躍するブックデザイナー、ヨースト・ホフリ氏と、その弟子ローランド・シュティーガー氏が選んだ。タイポグラフィーにこだわったデザイナーで、「世界で最も美しい本」に選考委員として携わってきた。寺本さんによれば、60~70年代に日本のデザイナーや装丁家がスイスのデザインに憧れをもった流れがあるという。鮮やかな色遣いなど、現代のデザインに通じるものが見て取れる。
 イランの「美しい本」には絵本や児童書が多く並んだ。イランは世界最大の児童書の展示会「ボローニャ国際児童図書展」に積極的に出品しており、児童書の人材が豊富、と寺本さんは話す。詩情豊かな作品が並んだ。
 日本の美しい本も展示されており、2013年造本装幀コンクール受賞者によるトークショーが2月20日(金)に開催される(要申し込み)。『galley』『ギャートルズ』『IRON STILLS―アメリカ、鉄の遺構』の装丁家が本に対する思いを語る。
 受賞作などの展示本は手にとって鑑賞することができる。入場無料、毎週月曜休館。

 「世界のブックデザイン2013-2014」やトークショーの詳細は、http://www.printing-museum.org/

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IRON STILLS アメリカ、鉄の遺構

著者:半田也寸志、半田也寸志、ブックデザイン 葛西 薫、ブックデザイン、葛西薫/ 出版社:ADP/ 発売時期: 2013年05月


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