(オススメ 編集部から)大佛次郎の狂おしい猫愛

2017年03月05日

 家には常に十数匹、近所からの通いもいる。人が猫を捨てていく。障子やふすまはビリビリに破られ、冬でも出入り口を開けておくので寒いばかりでなく、泥棒にまで入られる……半端でない猫愛エピソードの主は、〈鞍馬天狗〉の生みの親で、『パリ燃ゆ』など重厚な歴史評論でも知られる大佛次郎だ。猫に関するエッセーや写真、コレクションの品々が、『大佛次郎と猫 500匹と暮らした文豪』(小学館・1620円)に詳しい。
 夫人が夫以上の猫好きで数を増やし、家に住んだ猫は500匹以上。置物、玩具など多彩な猫グッズも楽しいが、江戸期から明治に描かれた猫の浮世絵や、遊び用の「おもちゃ絵」が多数収録され、珍しい。猫好きの友だった画家の木村荘八が収集し、没後、大佛に形見として贈られた絵だ。
 横浜市の大佛次郎記念館では3月20日まで「大佛次郎×ねこ写真展2017」が開催中(6、13~15日休み)。猫ざんまいの境地に浸れそう。

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