(オススメ 編集部から)日本の近代を築いた本

2017年05月07日

 幕末から現代まで、時代と切り結んだ出版物を紹介する図鑑『日本の時代をつくった本』(WAVE出版、9720円)は刺激的だ。本の解説に加えて時代背景が解き明かされているので、社会史・文化史・思想史としても楽しめる。
 例えば、こんな具合だ。1872(明治5)年の『学問のすゝめ』は、「文明への信頼と渇望が生んだ」。1925(大正14)年の『女工哀史』は、「近代化に圧し潰された女子労働者の実態」。2010(平成22)年の「電子書籍」は、「進化し続ける新しいメディア」。
 取り上げられた本や雑誌は100点以上。監修の永江朗さんの「時代の空気が一冊の本を生むこともあれば、一つの雑誌が世の中を変えることもあります」という言葉が実感できる。
 この図鑑の編集に携わった人たちの出版物への愛情と先人への敬意が、どのページにもあふれている。本好きの1人として、読んでいて背筋がピンと伸びる気がした。
(西秀治)

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