(オススメ 編集部から)口に絵筆をくわえて制作

2017年06月11日

 「いそがしくても 立ち止まり 一日に ほんのひと時でも 静かなものと 向き合いなさいと 今日も 花が咲いている」。白いヤマアジサイの絵に添えられた言葉だ。
 事故で手足が不自由になってから40年以上にわたり、口に絵筆をくわえて制作を続けてきた星野富弘さん(71)の新刊『花の詩画集 足で歩いた頃のこと』(偕成社・1728円)が出た。月刊誌に掲載した詩画と、幼少期の思い出をつづった随筆など、最近7年間の作品で構成される。
 制作は決まって午前中に、群馬県の自宅で行う。午後になると大好きな散歩に出かけ、地面に咲く草花に目を凝らすのが日課だ。
 昨年、本の完成間際に肺炎にかかり、ひと月入院した。意識を失うほどだったが、回復すると「あいまいだった絵や詩がはっきり見えて」一部を書き直した。「苦しさを経験し、いい言葉が出てきたんです」
 東京・銀座の教文館で原画展が開催されている。18日まで。(真田香菜子)

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