(オススメ 編集部から)読書離れといわれる世代…

2017年07月02日

 「ここって、仕事帰りのおじさんがふらっと寄っていきたくなるような居酒屋みたいなところですねー」。成田康子著『高校図書館デイズ 生徒と司書の本をめぐる語らい』(ちくまプリマー新書・907円)は、高校生のこんなひとことで始まる。
 登場するのは、札幌南高校の13人の生徒。「本を読んで“〈わたし〉でないひと”になる時間は楽しい」と語る生徒がいる。本の中の言葉を頼りに、前に進んでいく生徒もいる。
 話を聞く「司書の先生」は著者自身。「思いがけない話を聞いたり、はらはらしながら見守ったり、じーんとしてしまったり」しながら、優しいまなざしと言葉で生徒を包み込む。
 読書離れが言われる世代の中にも、こんなに真剣に本と向き合う若者たちがいる。本好きの一人として、勇気づけられる。
 生徒の一人の言葉が印象深い。「ながいこと本を読まないと、枯れる、気がする。こころ? かどこかそのへんが」
 (西秀治)

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