(オススメ 編集部から )「津島佑子コレクション」刊行始まる

2017年07月16日

 昨年他界した作家、津島佑子さんをしのぶ選集「津島佑子コレクション」(人文書院)の刊行が始まった。残された約40作品を、その文学に大きな影響を与えた私生活の出来事にそって3テーマ(息子の死、母との関係、父・兄の死)に分け、1~3期として構成。
 第1期の第1巻『悲しみについて』(3024円)は、息子の死の直後に書かれた表題作など7編を収める。「ジャッカ・ドフニ 夏の家」は、息子と訪れた北海道の記憶をモチーフとし、遺作となった長編『ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語』の原形になった。
 実娘で劇作家の石原燃さんは解説で、「あの頃、母はあらゆることに傷つき、怒っていた」とつづる。「一歳で父を、十二歳で兄を亡くし、ずっと考えてきたはずだったのに、息子を失って、死の意味がまったくわからなくなってしまった。だから考えたかった。死という喪失の意味を」
 第1期は全5巻で、2018年6月に完結する予定。 (板垣麻衣子)

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