子育て「人それぞれ」を知りながら 山崎ナオコーラさん・ヨシタケシンスケさん語る

2017年08月27日

山崎ナオコーラさん(左)とヨシタケシンスケさん=東京都中央区

 出産・子育てエッセー『母ではなくて、親になる』(河出書房新社・1512円)を出版した作家の山崎ナオコーラさんと、山崎さんの本のイラストを描き、自身も子育てイラストエッセー『ヨチヨチ父』(赤ちゃんとママ社・972円)を出版した絵本作家のヨシタケシンスケさんのトークイベント「子育てを語る」が東京・築地の朝日新聞読者ホールであった。
 ヨシタケさんには10歳と6歳の男の子が、山崎さんには1歳5カ月の子どもがいる。子育てとほぼ並行して書き、周囲から「一番かわいいのは今」と言われ焦っている山崎さん、ヨシタケさんのイラストは、「赤ちゃんの寝返り姿など、かわいいと思う気持ちがびんびん伝わる。10年という歳月を経てかわいさがより研ぎ澄まされている」のに希望を持ったという。
 ヨシタケさんは次男をもって、ようやく子育て経験を書く余裕ができた。「わかったことは一つ、『それぞれですよね』。赤ちゃんが家にいるという以外、何の共通点もない。『うちの場合は』という前提を丁寧に伝え」感じたことを書くようにした。
 母だからと気負わず、「親になろう」と妊娠中に決めた山崎さん。夫もサポート・部下役でなく、子育ての主体者であってほしいという。ヨシタケさんは「自主性を出せといわれるのがつらい人は多い。部下で輝く人もいる」から、多様な夫婦、親子像を知るのは大事と語る。
 『ヨチヨチ父』の「人の数だけ『普通』があり、『現実』があり」「お互いに気をつかいながら、共通点を探しながら、それでも楽しくやっていこうとする。大人ってえらいなあ」に山崎さんは感心する。「自分と共通点はないし、本当の理解は出来ないかもしれなくても、コミュニケーションは取れるのが大人の目指すところ」と言う。
 参加者から子育て方針を聞かれた山崎さん、「街の書店員の夫から知的な、幸せな生き方を教わった。子どもにも自分なりの幸せを見つけてほしい。大ヒットを狙って子育てしているわけではない。仕事もそれでいいのかも」。「違う価値観の意見が常にあるのが大事。いろんな人がいる、できることもできないこともある、いい加減な大人でも生きている、ということを学んで、大人になる勇気をはぐくんでほしい」と答えたヨシタケさん。絵本は子ども時代の自分を思い出して描く。自分の子どもが同じことをしていると、「(自分だけの経験ではないと)裏がとれる。勇気をもらえる。子育ての面白いところ」。子育てトークを通して、2人から個人や社会のあり方、仕事の仕方が見えてきた。(岡恵里)

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