俳句で触れられる現実、探って 関悦史、句集と評論集

2017年09月06日

関悦史さん=茨城県土浦市

 俳人の関悦史さん(47)が、第2句集『花咲く機械状独身者たちの活造り』(港の人)と、初の評論集『俳句という他界』(邑〈ゆう〉書林)を出した。繊細で鋭敏な感性で多彩な題材を詠み、論じる。

 句集には2011~16年の1402句を収めた。一読して感じるのは時代との共振だ。

 《原発と妹融けあひて去年今年》

 《官邸囲み少女の汗の髪膚(はっぷ)ほか》

 茨城県土浦市に住み、東日本大震災では自宅が半壊。被災後の暮らしや、仲間と繰り返し訪れた福島、安保法制や国会デモなど、生(なま)の素材を詠んだ句が目につく。

 だが、ただの時事詠でなく「あくまで俳句として新しく面白くしたい」。それは「理解を超えた驚きと共に読者の世界認識に何らかの関わりをもつ」こと。BL(ボーイズラブ)俳句を含めサブカルや現代美術とつながる句も多い。

 評論集は、06年以降の文章をまとめた。俳句史を踏まえつつ、論は近現代の思想や文学、サブカルなどと縦横無尽に交わり展開される。「他界」の語が浮かんだきっかけは祖母の介護と死。「ベースはあの世で、この世が特殊」と見方が変わり、俳句もそうだと感じた。「言語表現を介してこそ触れられる現実がある。俳句でそれを探究したい」と話す。(小川雪)

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