(舞台裏)これが「建築文学」?解説で氷解

2017年09月10日

 3月に刊行された講談社文芸文庫の『建築文学傑作選』(1998円)が好評だ。現在、2刷3700部。文芸文庫では異例の売れ行きという。建築家の青木淳さんの選。須賀敦子「ヴェネツィアの悲しみ」、開高健「流亡記」、芥川龍之介「蜃気楼(しんきろう)」、幸田文「台所のおと」など10人の作家の作品が収録されている。
 まず思うのは「これがどうして建築文学なの?」。その疑問は、巻末の青木さんの解説で氷解する。作品の構成や手法が「建築」なのだ。
 文学は建築的な読み解きができる。そんな青木さんの考えを知った講談社文芸第一出版部単行本編集長の森山悦子さん(51)が昨夏、青木さんを訪ね、意気投合して誕生した1冊。「建築文学」というタイトルは森山さんがつけた。読者から「建築をキーワードに読み直すと、新たな発見があった」と感想が届いた。
 この本は、「選集」の新たな可能性かもしれない。(西秀治)

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