(オススメ 編集部から)日本国憲法の制定過程

2017年10月08日

 日本国憲法はいかに制定されたのか。庄司克宏編『日本国憲法の制定過程 大友一郎 講義録』(千倉書房・2700円)が、その経緯を詳述している。
 大友一郎氏は敗戦前に内閣法制局に入り、戦後は占領下の憲法問題調査委員会(松本委員会)事務局で制定過程を直視してきた人物だという。本書は大友氏が退官後に慶応大で行った講義をまとめたもので、「ポツダム宣言」の意義や「おしつけ憲法」とならざるを得なかった複雑な背景などを冷静に考察している。
 特に国際連盟の失敗をふまえた戦後処理政策では、連合国が権利として要求する国家改造を日本は義務として履行する立場にあった点、平和主義・国民主権・基本的人権が最重視されていた点、天皇および日本政府の存続も認めていた点などが改めて興味を引く。
 戦後72年、先駆的な9条の理念が深く定着した日本だが、改憲が選挙公約になる今日。大友氏の「日本国憲法の原理が人類普遍の原理」が心に響く。(依田彰)

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