紙の街、折って切って「立ったー」 三浦太郎さん「親子でオーサー・ビジット」

2017年12月24日

紙の街をつくる子どもたちと三浦太郎さん

 『くっついた』(こぐま社)などで知られる絵本作家・三浦太郎さんの「親子でオーサー・ビジット 三浦太郎さんと紙の街をつくろう!」(朝日新聞社主催、三省堂書店神保町本店協力)が11月、東京都千代田区の同店で開かれ、親子42人が参加した。
 まず、三浦さんが手本を見せる。色画用紙を二つ折りし、斜めにハサミを入れる。広げると三角屋根の家のよう。さらに切り込みを入れ、玄関や窓を作った。
 「どんな街にも最初に住んだ人がいる。自分がその人だったら、どんな家に住みたい? 街に何があるといいかな? 紙で作って並べてみよう!」
 いっせいに色画用紙に手を伸ばす子どもたち。思案する親をよそに折ったり切ったり。ものの数分で「できた!」という元気な声が会場に響く。やる気満々な子どもたちに目を細めながらも、「ひとつ条件があります」と三浦さん。「必ず『立つもの』を作ってね」
 街の舞台となるのは真っ白な150センチ四方のテーブル。できたら並べていく。勇んで作ったものの、いざ置くと倒れてしまう作品も。三浦さんは、のりやセロハンテープのような、紙をくっつける道具は使わない。作品を立たせるためには、折り方や切り方に工夫が必要なのだ。
 「立つかな?」「倒れたー」。試行錯誤の大騒ぎが始まった。親たちも「つい、むきになってしまう」と照れながらも、いつしか無心で手を動かす。
 「動物がいないとさみしいから」という理由でライオンを作ったのは、6歳の木浦崇敏君だ。ギザギザの切り込みで、たてがみや大きく開けた口を表現した。
 ロープウェーを作った加藤詩(うた)さん(小2)は、「安定させるのが難しかったけれど楽しかった」。支柱を二つ作り、極細に切った紙をロープ代わりに渡す。そこに三角形のゴンドラをつるすが、重みで倒れてしまう。見かねたお父さんが小さな紙を引っかけるが、どうもうまくいかない。土台を広げるなど工夫を重ね、安定させた。
 やがて何もなかった街に家が建ち、花が咲き、ビルや鉄道、船、観覧車、スタジアムが並んでにぎやかに。テーブルが埋まっていく様子を三浦さんは動画に撮っていた。最後に、早送りで街が出来る過程の上映会をすると、「うわぁー」と驚きの声が上がる。
 「大勢で作ったのにまとまりのある、すごく楽しそうな街になりました」と三浦さん。自分の作品は持ち帰り、「家で続きを作っても面白いよ」。参加しただけでは終わらないワークショップに大満足の親子たちだった。
 (ライター・安里麻理子)

関連記事

ページトップへ戻る