日常のネタ、友だちに話す感覚 群ようこ「かるい生活」

2018年01月31日

群ようこさん

 体も心も無理せずに。群ようこさんのエッセー『かるい生活』(朝日新聞出版)は、『ぬるい生活』『ゆるい生活』に続く、人気シリーズ3作目。還暦を過ぎてままならない体調と折り合いを付け、洋服や本をどんどん手放し、最後は家族との関係まですぱっとさようなら。軽妙な語り口は、読む人の心も明るく、軽くしてくれる。
 風呂の湯が熱すぎるのに気づかずのぼせたり、久しぶりにスカートをはいて風邪をひいたり。スマホを持たない群さんは「うつむいてスマホを見続けていると二重顎(あご)になるぞ」説をたて、電車内で観察を始める。
 「日常で事件が起きるわけではない。これはエッセーのネタになるかなとぴんとくる」。2015年からの連載をまとめた。書きたいことは直球だ。「どう読まれるかは全然考えない」
 『かもめ食堂』など小説も多いが、「自分の本業はエッセイスト」と言う。「小説は登場人物が決まれば、あとは勝手に動いてくれて何でもできるから楽です。エッセーは現実に沿ったことしか書けない。短いほど難しい。ものすごく緊張します」
 20歳になる老猫と暮らし、生活は猫中心だ。
 「私の本はお見舞いによく使われるらしい。面白かったこと、腹の立ったことを友だちに話すような感覚で書いている。ちょっとすっきりした、と思ってもらえたらうれしい」
 (中村真理子)

かるい生活

著者:群ようこ
出版社:朝日新聞出版

表紙画像

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