( オススメ 編集部から )作家が語る「忘れられない本屋」

2018年02月04日

 北京、ロンドン、ベルリン、イスタンブール……。『この星の忘れられない本屋の話』(ヘンリー・ヒッチングズ編、浅尾敦則訳、ポプラ社・1944円)は、世界の作家15人が人生のある時点で個人的な関わりを持った本屋の話をつづったアンソロジー。作家が本にとりつかれたきっかけの一端が伝わってくる。
 アンドレイ・クルコフはウクライナの小さな店の話をつづる。そこはソ連時代は普通の本屋だった。が、ソ連崩壊後、食料に事欠くようになると人々が家の蔵書を普通の本屋に売るようになり、次第に古本屋になっていったという。その店の女主人が、本を買わずに時間をかけて立ち読みをする、ある常連客のことを、クルコフに好意的に話す逸話が印象的だ。訳者あとがきによると原題は「BROWSE(立ち読み)」。あの魔法のような時間は本屋ならでは。イーユン・リーが中学生のころに出会った北京の食品マーケットに隣接する隠れ家のような本屋の話も心に残る。(加来由子)

この星の忘れられない本屋の話

著者:ヘンリー ヒッチングズ、Henry Hitchings、浅尾 敦則
出版社:ポプラ社

表紙画像

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