本から学ぶ、本でつながる 読書の楽しみ、講演や対談で 築地本マルシェ

2018年03月25日

丹羽宇一郎さん=首藤幹夫氏撮影

川上未映子さん=首藤幹夫氏撮影

橘ケンチさん=首藤幹夫氏撮影

木村カエラさん=首藤幹夫氏撮影

 「読書の楽しみが見つかる2日間」と銘打ったブックフェア「築地本マルシェ」(朝日新聞社など主催)が2月、東京都中央区であり、2日間で約4千人が来場した。元中国大使の丹羽宇一郎さんの基調講演をはじめ、読書の楽しみを伝える講演や対談など13のプログラムがあった。

 丹羽宇一郎さんは「なぜ本を読むのか」と題して基調講演。丹羽さんは本を読んで心に刻むべき言葉があったら、ノートに書き出している。「このノート作りを始めてから、私の本格的な読書が始まったと思っています」と話す。「読書ノートを見返すと、自分はまだまだ知らないことがたくさんあると思うんです。自分は10年前より賢くなった、と思い込んでいるけれど、そうじゃないことがわかる。自分が何も知らないことを自覚する。これが大事です」
 「仕事・読書・人、この三つが三重奏のように重なり合って、人間というのは磨かれ、成長していくんだろうと思います」「これからの日本は、心豊かで、温かい血の通った判断ができる人間を求めています。それは、たくさん本を読んだ人、つまりは、読書によって作られるのではないでしょうか」
 作家の川上未映子さんは、「読書はわれわれの何を作るか」と題して講演。「読書はしないといけないの?」という昨春の朝日新聞「声」欄への投書に触れながら、本を読む理由について、「社会や世界、他人への理解の解像度があがるから。人はことばを使って生きています。社会もことばで機能しているんです」と話す。そして「ことばの集積で作られたフィクションは社会の常識を作る力を持っています。本を読むことは、生きることと非常に近しい――だから私はこれからも物語を書いていきたい」と結んだ。

 ■本を通じ人を知る
 EXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチさんは、自ら開設した本のおすすめサイト「たちばな書店」について話した。「本をキーワードにつながれる場所があるといいな」と思ったのがサイトをつくるきっかけだったという。「本にまつわるカルチャーも紹介していきたいですね。たとえば、読書にぴったりの椅子やテーブル、照明、メガネとか」「『本を通じて、その人を知る』ことを『たちばな書店』のテーマの一つにしたいと思っています」
 歌手の木村カエラさんは、絵本ナビ代表の金柿秀幸さんと、「子どもたちにすてきな絵本の出会いを」と題して、おすすめの絵本を語り合った。木村さんが挙げた絵本は『どろんこハリー』(ジーン・ジオン著、マーガレット・ブロイ・グレアム絵、福音館書店)、『プータンいまなんじ』(わだよしおみ著、ならさかともこ絵、JULA出版局)、『ぼくを探しに』(シェル・シルヴァスタイン著、講談社)など。会場からの「子育て真っ最中のパパ、ママにエールを」という声に、木村さんは「絵本を介して、お子さんにたくさん思い出を作ってあげることで、愛のある子どもに育つんじゃないかな」と話した。
 会場では書評ゲーム「ビブリオバトル」も実施。ビブリオバトル普及委員会代表の岡野裕行さんが、歌人の穂村弘さんを相手に、ビブリオバトルの仕組みや魅力を説明。その後、20代から60代までの28人が4グループに分かれ、「本」にまつわる本を互いに5分間プレゼンして3分間質疑応答、「チャンプ本(読みたくなった本)」をグループごとに投票で決めた。参加者の一人は「身を乗り出して本の話を聞いてくれる人がいる。それがわかって驚いたし、とてもうれしかった」と話していた。
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 「築地本マルシェ」の詳しい様子はこちら(http://book.asahi.com/reviews/column/column.html?id=1659)をご覧ください。

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