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冨永竜二さん(山口県下関市・R&Dメディアステーション幡生店)
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『この世には不思議なことなど何もないのだよ。』
ミステリの定義というのもあいまいなものですが、「これもミステリなの?」とビックリしたのがこの二人の著書を読んでの感想でした。ちょうど同時期に出会ったため、なおさらこの二人の類似点を感じました。
『知恵の輪』
ある手順によって出来上がったパズルを、その手順を想像しながら反対にバラシていくことの快感。ことさら、理系的ミステリと紹介されているのが『森博嗣』ですが、この二人の著書を並べるのなら、理系的論理ミステリ『森博嗣』、文系的論理ミステリ『京極夏彦』と私は感じています。
『森博嗣』はいたる場面でこんな感じの書き込みをしてます。「結局、事件を起こした犯人の動機なんてわかりっこない」。実際、読み進めても動機に対してのアプローチは重要視せず、起こった事象に対して論理的に解明していきます。そのためかどうか、密室など特殊な環境がよく設定されていて、「なぜこの環境がつくられたのか?」に焦点が絞られていきます。
『京極夏彦』は心理やその事件が起こった状況に対して論理的に解明していきます。その時代背景においての風俗、慣習、心理などを積み上げていき、不思議な出来事を作り上げ、「なぜこのように考えてしまったのか?」と一つ一つ説明されていきます。
論理、論理と続けるとまた近寄りがたくなりますね。とにかくまずは二人のデビュー作を手にとってみてください。
『すべてがFになる』、『姑獲鳥の夏』 このすばらしい才能に浸ってみてください。
ファンの多い二人の著者ですが、読まず嫌いの方もきっと多いはずです。
『森博嗣』作品は、決してティーンズのためだけの軽めの小説ではありません。
『京極夏彦』作品は、決して妖怪もののホラー小説ではありません。あまりの本の厚さに閉口するとは思いますが、敬遠する理由に厚さを挙げるのは損してると言わざるを得ません。
二人の著者のまったく違う世界を体感して、改めて浮かぶこの一言。
『この世には不思議なことなど何もないのだよ。』(京極堂)
特に好きな著書を紹介させていただきます。
(情報協力:R&Dメディアステーション幡生店、山口県下関市羽山町24—19)