夜ごと出会い系サイトを通じて、欲望を満たしてくれる相手を探し続ける34歳の塾講師・七井翔子。恋人との結婚を目前に控えても、誰かに強く求められたい一心から、ゆきずりの関係を繰り返すことをやめられない。その原因は、幼少時に母親から受けた精神的苦痛を原因とした精神疾患にあった……。
本書は、年間アクセス約300万件を超え、人気日記ランキング第1位となったWeb日記「翔子の出愛系日記」において、約1年2カ月間にわたりつづった心の記録である。アダルトチルドレンから派生する鬱、摂食障害、パニック発作などさまざまな精神疾患を克服したいと強く願い、心の奥底を掘り下げながら、メンタルクリニックの名木医師や家族、友人の支えを得て安らぎを求めていく経過を赤裸々に語る。
友人の裏切り、元同僚からの告白から生じた三角関係など、次々と起こる出来事に翔子はもがき苦しみ、そのたび症状は悪化していく。愛情を渇望する自らの心を真っ向から見つめ必死に立ち向かっていく様は、痛々しく切ない。臨場感あふれる壮絶な描写に、心が揺さぶられる。
ブログ発の単行本が次々と発表される昨今、出色の作品といえるだろう。自分を見失っている人、見失いかけている人にとって、本書はいわば闇を照らすひとすじの光となるにちがいない。