■「できる社員」になるためのノウハウ
最近、どの企業でも、厳しい先輩がいなくなったという話を聞く。
注意するとすぐに辞めていったり、ふてくされたりする新入社員が増え、助言をためらうようになったことが大きな原因である。
著者は、サラリーマンとして30年間を過ごし、タイトルどおりに「引き抜かれ」た経験も持っている。そこで、あえて厳しい先輩さながら、「できる社員」になるためのノウハウを開陳したのが本書なのである。なお「他社から引き抜かれる社員になれ」は、ある個性的な会社のトップが社員に発したメッセージである。
本書には「肝に銘じたい」と思わせる言葉が詰まっている。あいさつ代わりに食事などに誘っていては、実行力がない人間と見られてしまうので「口約束を大切にせよ」。情報の交流をスムーズに進めるため、「上司こそ部下に報告せよ」。会社を辞めたいと思った時は、その理由をとことん突き詰め、「隣の芝生は青いかよく見極めよ」など、かつて著者自らが先輩や上司に叱(しか)られたり、注意された体験を踏まえ、解説しているのである。
締めくくりの章は「ロマンを抱け」。その言葉通り、現状を変える知恵にとどまらず、将来の展望についてもヒントが得られることだろう。