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サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか [著]ジョン・ロルフ、ピーター・トゥルーブ [訳]三川基好

[掲載]2007年04月27日夕刊

■金融市場、勝ち組の裏側

 世界の金融市場を牛耳るウォールストリート。そこで働くのは、自分の裁量で何百万ドルもの金を動かし、豪華なディナーや豪邸でのパーティーを堪能する金融マンたち。彼らこそ、真の成功者ではないか。ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得した二人の著者も、そんなイメージを抱いていた。事実、リクルーティングに来た企業の中で、破格に高い報酬を提示していたのがウォールストリートの投資銀行だった。だが、金と出世とやりがいに惹(ひ)かれて就職した二人の夢は、すぐに崩れ去る。待ち受けていたのは、週7日労働で1日の平均睡眠時間が4時間半という、私生活が一切ない毎日。しかも、アメリカの銀行は厳然たる身分社会で、若手は上役の命令どおり家畜のように単純労働を繰り返すだけだった。

 本書につづられているのは、二人が体験した悲しくも馬鹿馬鹿しい日々。顧客獲得用のプレゼンテーション資料の作成や企業の視察旅行に、いかに無駄な労力と金が費やされているかとか、非人間的な生活の果てに壊れてしまった上役の変人ぶりといった話が生々しく描かれている。投資銀行の役割もやさしく説明しながら、生きのいい語り口調で思い切り笑わせてくれる。金融に明るくない人も、勝ち組社会の裏側をのぞくような気分でグイグイと引き込まれるだろう。

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