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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事 心に太陽を 唇に歌を [著]藤原正彦[掲載]2007年04月27日夕刊 ■子どもに向けた品格のある生き方 『国家の品格』で知られる著者が振り返る、子ども時代の物語である。 著者に影響を与えた父は、「弱い者を救うためには力を用いてよい」と諭す一方で、大勢で一人の人間を攻撃するような卑怯(ひきょう)を許さなかった。正義感の強い正彦少年は、クラスのボスとしてもめ事を仲裁し、勉強の遅れた子や弱い子の面倒を見ることを使命としていた。しかし、いつの時代にもいじめはある。小学校4年生の春、傍若無人で乱暴な秀治という少年が転校してきた。クラスの問題児となった秀治に正彦少年も手を焼き、鉄拳制裁を加えたこともあったが、担任の福田先生だけは違った。秀治の家庭環境に同情を示し、徹底した非暴力で向き合ったのである。父に教えられた武士道精神と福田先生の人道主義は正彦少年を大きく成長させた。二人に学んだリーダーシップを発揮したことでクラスの絆(きずな)も強まった。そして小学校最後の日、福田先生の残したはなむけの言葉は、皆の心に深く刻まれた。 著者の子ども時代は、いじめによる自殺などはなかったという。卑怯を憎む心や、弱い者、貧しい者に手を差し伸べるやさしさがあったからだ。本書は、その心を取り戻すことの意味を子どもにもわかりやすく説く。今、いじめの嵐が吹き荒れる学校生活に悩んでいる子どもたちにも希望を与えるに違いない。
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