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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事 けんか葉隠 [画]かわぐちかいじ [作]宮田雪[掲載]2007年04月27日夕刊 ■後の「かわぐちかいじ」に連なる骨太の傑作劇画 作家は、処女作に向かって回帰していく。表現の技術が進歩しようとも、芯は変わりようがないのである。小説家であっても画家であっても、そして漫画家であってもそうだ。
本書は1971年に「ヤングコミック」で連載された長編漫画。「沈黙の艦隊」「太陽の黙示録」で知られる漫画家かわぐちかいじが、デビュー直後の、初々しい筆致で作画を担当し話題を呼んだ。厳密にいうと、本書はかわぐちの処女作ではないし、他の作家が第一話を描いたものを、かわぐちが引き継いだという、いわくつきの作品でもある。にもかかわらず、一コマ一コマからは、後のかわぐち作品にみられる骨太の社会派娯楽作品の香りが立ち上ってくるのだ。 時代は70年代初頭、学生運動が転換期を迎えた頃。エリート自衛官を兄にもつ丸橋忠也は「けんか葉隠(はがくれ)」とあだ名される高校生である。各地の高校を渡り歩き、行く先々で学校側の不正を暴いていく。ある学校に赴いたとき、陸上自衛隊のクーデターに遭遇、決起隊が学校を占拠してしまう。忠也の兄とも関連がありそうだ。忠也は否応なく事件に巻き込まれていくのだった……。 忠也の権力を見つめる視線は、「沈黙の艦隊」の海江田を彷彿(ほうふつ)させ、現在のかわぐち作品の萌芽が感じ取れる。他の初期作品3編も併録されているので、比べてみても面白いだろう。 (定価1890円・チクマ秀版社) ここから広告です 広告終わり |
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