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酵母から考えるパンづくり [著]志賀勝栄

[掲載]2007年04月27日夕刊

■酵母を自在に生かす芳醇(ほうじゅん)なレシピ集

 噛(か)むほどに味わい深い、天然酵母のパンが人気である。イーストなどの酵母や、小麦やレーズンなどで作る発酵種は、パンの風味を左右する大きな要素といえる。その特性に迫り、パンの魅力を存分に伝えるレシピ集が登場した。著者は、有名菓子メーカーでパン部門の総責任者を歴任してきたパン職人だ。自然発酵種を用いたパンづくりの達人といわれる。本書には、長いキャリアから生まれた44の秘蔵レシピを収録。レーズン種、ルヴァン種など六つの発酵種の作り方も、詳細なプロセス写真と共に解説している。

書誌画像酵母から考えるパンづくり

 酵母・発酵種別に紹介されるレシピは、よく知られるものでも、著者の試行錯誤が生きた個性派ぞろいだ。例えばバゲットは、通常の20分の1という微量イースト、低温長時間発酵で作る、まさに逸品。また食パンのエーデルは、柔らかいけれど、噛みしめて味わうご飯のような食感を目指したという。ひと味違うイングリッシュメロンパン、シュトーレンやスコーンといったお菓子にも、著者ならではのアイデアが息づく。

 発酵種によって食感や風味、噛み応えやしっとり感が違う。その微妙な違いを、本書でぜひ試してみたい。プロでなければ太刀打ちできないレシピばかりだが、パン愛好者にとっては、パンの世界を豊かに広げる手引書となるに違いない。

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