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ジーコ備忘録 [著]ジーコ [訳]鈴木國弘

[掲載]2007年05月25日夕刊

■2006年6月に至る栄光と屈辱の日々

 2006年6月12日、何万人もの日本人がいっせいに悲鳴を上げたはずだ。ワールドカップ・ドイツ大会初戦。対オーストラリア戦でまさかの敗北、日本代表チームは1勝も挙げることができずにドイツを後にした。なぜ、このように惨めな敗北を喫したのか。2004年のAFCアジアカップでは反日感情が渦巻く中国のスタジアムで鮮やかな勝利を収め、2006年ワールドカップ地区予選でも破竹の勢いでドイツへの切符を手にしたというのに。矛先は、チームを率いたジーコ監督へ向かった。彼が監督に就任した2002年から2006年の間に何が起こったのか。ジーコ本人が「最後のメッセージ」とつづった回想録が本書である。

 監督業に「もし」や「仮に」は許されない、それぞれの局面で下してきた判断はベストであったとジーコは言う。だが、手に汗握る文章で彼が再現するワールドカップとそれに先立つ試合の分析は苦渋に満ちている。選手の自主性を信じた監督と、それに応えられなかった選手たちの間に横たわるのは、日本人特有の甘さ。ジーコは選手のみならずサッカー界全体に苦言を呈する。しかし、本書に記された言葉は彼が15年間を過ごした日本に対する愛情の裏返しでもある。本書をバネに、日本チームが再び世界のひのき舞台に上る日を応援したくなるだろう。

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