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おとうさんのてがみ [著]柴田晋吾 [写真]沼田早苗

[掲載]2007年05月25日夕刊

■アメリカの風景写真で描く父子の交流の物語

 アメリカ音楽の故郷を訪ねた写真に、父から幼い子にあてた手紙を付けた絵本である。軽快なメロディーが響いてきそうなページから、温かな絆(きずな)が伝わってくる。

 ひさおは、仕事でアメリカに行ったお父さんの帰りを待っている。お父さんの手紙には滞在先の写真が同封されている。そこに写っているのは、ひさおが作ったテルテル坊主。ナッシュビルではギターのヘッドにぶらさがり、モニュメントバレーでは岩山をバックに笑顔を見せている。お父さんはアメリカの音楽が好きらしい。『ルート66』を口ずさみながら草原をドライブし、ラスベガスでは『マイウェイ』を聴いている。「だいすきな フランク・シナトラの『マイウェイ』を きいていると、いままで じぶんが、だいすきな しごとを しつづけてきて よかったなあと おもえてくるんだ」。ひさおはお父さんが大好きだ。何度も手紙を読み返し、お父さんが作ってくれた観覧車のゴンドラの一つに色を塗ってから、あるものをそっと入れた。いつかお父さんと出かける日のために。待ちに待ったお父さんが帰ってきた。ひさおがゴンドラから取り出して作ったものを見て、お父さんは大喜び。二人のハミングが日曜日の大空に吸い込まれていった。

 アメリカの風景をバックにしたテルテル坊主が、海を隔てた父子の気持ちをつなぐ。心浮き立つ楽しさを感じるだろう。

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