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高次脳機能障害がわかる本 [著]橋本圭司

[掲載]2007年06月29日夕刊

■周囲の理解と支援でリハビリテーション

 最近知られるようになった新しい障害に高次脳機能障害がある。脳卒中や事故により、大切な家族や気のおけない友人の性格が急に変わってしまったような印象を受ければ周囲の人は当然、ショックを受ける。言語や記憶の障害を発症することもよくある。2004年の厚労省の発表によれば、そうした障害者は全国に約30万人いるといわれる。

 本書はその題名通り、高次脳機能障害に関する知識、リハビリテーションの方法を中心に解説した医療ガイドである。著者自身が最前線で活躍する医師であり、しかも単に治療にとどまらず、障害者を取り巻く社会環境を整える大切さを訴えているだけに、その内容は傾聴に値する。「医療関係者は全人的リハビリテーションを忘れてはなりません」と著者は強調する。診断や検査データと向き合うだけではなく、人として患者と最後まで向き合う姿勢が大切と説くのである。

 本書が紹介するリハビリテーションプログラム「オレンジクラブ」の実例も大変参考になる。当事者だけではなく家族も対象とし、ボランティアを中心にチームで支えるその手法はこれまでも多くの成果を上げてきた。高次脳機能障害は誰にでも起こりうる障害である。本書をきっかけに国民の多くがこの障害について正しく理解することを願ってやまない。

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