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奇跡のごはん [著]宮成なみ

[掲載]2007年08月31日夕刊

■ごはんが作る愛のものがたり

 現代医学が見放した難病を食事療法によって克服した著者の体験は、同じような境遇にある患者のみならず、多くの人に感動を与える。著者が発症したのは14年前のこと。16歳の高校生は結節性動脈周囲炎と宣告された。今も完治することが難しい病である。ところが著者は驚異的な回復を遂げる。

 その秘密は本書で明らかにされているように徹底した栄養管理だった。とりわけ母親が作る「ごはん」に、ほんのひと手間かけたメニューが奇跡を呼んだのである。「母の愛情がこもったごはんを食べつづけることによって、ガリガリだった体に少しずつ肉をつけ、1歩ずつ肌の色や艶(つや)を取り戻していった」と著者は病気と闘った約8年間を振り返る。

 その後、独立し、幾多の試練を乗り越えて自らの経験を生かし、料理研究家として新たに旅立つまでの歩みが本書にはつづられている。体験談にとどまらず、「塩分削減の知恵」「タンパク質をおさえる知恵」「なみのメロメロレシピ」「なみちん式和風調味料」などのユニークなレシピの数々も本書の魅力。決して難しい料理ではなく、ちょっとした工夫がなるほどと思わせる内容だ。幸せは高い山の頂にあって登りつめて勝ち取るものではなく、案外近くのありふれた中に見いだすものという言葉も多くの人を勇気づけることだろう。

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