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僕らは、ワーキング・プー [著]アントニオ・インコルバイア&アレッサンドロ・リマッサ

[掲載]2007年09月28日夕刊

■現代イタリアの格差社会に悩む若者たち

 日本でも、格差が切実な問題になってきている。若者の間でのフリーターや失業者の増加、ネットカフェ難民というホームレスの急増。一度はまると抜け出せない下降スパイラルの様を呈している。

 本書は小説だが、ここで描かれるのはイタリア版格差社会である。日本もイタリアもあまり違いがないようだ。主人公のクラウディオは27歳、有名大学を卒業したものの某企業のマーケティング部門で、短期雇用社員として働いている。月収は1028ユーロ、日本円にして17万円ほど。いかに小遣いを捻出(ねんしゅつ)するかに腐心する毎日だ。いまは三人の若者とルームシェアをしている。一人は親の援助を受ける大学生だが、あとの二人はクラウディオと同様に貧しい。アレッシオはジャーナリストの夢を断念して郵便局員となり、とにかく終身雇用の道は確保した。女性のロッセッラはベビーシッターをしながら就職活動をしている。クラウディオの独白をベースに、彼らのささやかな楽しみや希望、恋や諍(いさか)いが生き生きと、軽妙に描出されている。

 しかし、誰もが、まずは目の前の現実を生きなければならない。出張旅費が精算されるまでの食費に頭を悩ませるクラウディオのように。それゆえに格差は是正されず、むしろ広がる一方なのである。出口が見つからない状態もまた、日本もイタリアも同じようなものである。

    ◇

 アンフィニジャパン・プロジェクト訳

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