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12歳までに「絶対学力」を育てる学習法 [著]糸山泰造

[掲載]2007年10月26日夕刊

■「危険な学習」をさせてませんか?

 今の子どもたちは、計算はできても、少しひねった文章題だと「わからん」「習ってない」「ヤダ」と自分で考えようともしないのが普通だ。本書の著者は、本来子どもは楽しく考えられるはずなのに、今の義務教育・家庭学習のあり方が、子どもたちに「考えない学習習慣」をつけているのではないかと危惧(きぐ)している。

 とくに高速計算・徹底反復学習は、脳の単純な回路を反復使用するだけで、いわば「考えない訓練」と同じだと言う。

 最新の脳科学によれば、脳神経が多様な回路をつくり思考力を養成できるのは12歳まで。この時期は自分で工夫し試行錯誤することで神経回路を増やすことが最重要であり、高速計算・徹底反復は思考力養成を妨げる「危険な学習」だと例をあげて説明する。

 そしてこの時期に豊かな思考力と人間らしい判断力を養わなければ、幼稚で衝動的な「子ども大人」に育つと警告する。

 著者は元進学塾講師でパターン学習の弊害を痛感し、現在は「どんぐり倶楽部(くらぶ)」を主宰、「考える力」を育てる教材をネット上で公開している。

 週一題の「良質の算数文章問題」だけで思考力養成は保証すると言い切り、むり・むだのない中学受験対策も紹介。子どもを守れるのは親だけだと強調する本書は、教師、保護者の目からウロコが落ちる衝撃の学習本だ。

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