ここから本文エリア

RSS

現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事

BOOK TIMESロゴ

アンディ先生と私―トヨタが私に教えてくれたこと [著]パスカル・デニス

[掲載]2007年12月21日夕刊

■日本のモノづくりの底力を再認識する物語

 カイゼンが国際語となっているように、トヨタ生産方式は世界的に優れた生産システムである。本書は、アメリカの工場を舞台に、この方式の導入によって現場が劇的に変化する過程を描いた小説である。

写真  

 トムはニュージャージー州にある自動車工場の工場長。年間の製造目標を達成できず不良品も多い工場は、閉鎖寸前まで追い込まれていた。トムは工場再生をかけ、トヨタで活躍した伝説の人物、アンディ・サイトウを探し出す。トムの師となったアンディは、カイゼンとは「小さな手直しの積み重ねだ。サムライが刀をきたえるような」と、大改革に乗り出す。頭の固い上層部やバーチャルな生産管理に熱心なマネジャーの抵抗に遭いながらも、彼らは現場に深く入り込み、カイゼンを一歩一歩進めていく。

 本書の面白さは、PDCA(計画=Plan、実行=Do、評価=Check、改善=Adjust)やTPM(トヨタの全員参加生産保全)といった生産方式が、実際の現場で活用される様が手に取るようにわかること。また、カイゼンに欠かせないのは現場のチームワーク。トヨタの成功は、「普通の人々が、すばらしいやり方で、普通の何倍もの効果を上げてる」ことだとアンディは教える。日本のモノづくりに流れる精神は、さまざまなビジネスの現場で応用が可能で、十分に結果を出せると信じられる本だ。

    ◇

 松尾英俊訳

ここから広告です

広告終わり

このページのトップに戻る