ここから本文エリア

RSS

現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事

BOOK TIMESロゴ

北京五輪に群がる赤いハゲタカの罠 [著]浜田和幸

[掲載]2008年02月29日夕刊

■中国製のハゲタカが飛来する日

 すでに、様々なスポーツ競技で、8月の北京オリンピックへ向けた話題作りが始まっている。その一方で、中国からの輸入食品の安全性が問われてもいる。この隣国との付き合い方は何とも難しそうだ。本書は、最近注目されている国家の資金を原資としたファンド、いわゆる国富ファンドの実態を描くとともに、中国が国を挙げて繰り出す国富ファンド(著者は「赤いハゲタカ」と呼ぶ)の脅威を細かに検証していく。

 すでにチャイナ・マネーが世界を覆い始めている。中国の野望は、経済における世界制覇なのだと著者はいう。もちろん、日本もターゲットとされている。中国資本による日本企業の買収、都市近郊の不動産取得と、知らぬ間に侵食されつつある。このまま進んでいけば、世界経済の主導権がアメリカから中国へと移る日も、そう遠くはないのである。

 そんな中国の国威発揚のシンボルが今年の北京オリンピックとなる。ただ、そこにボイコット運動を展開する人権擁護団体、スポンサーとして名を連ねるグローバル企業、赤いハゲタカ、それぞれの思惑が絡まり、複雑な様相を呈していく。著者によれば「白いハゲタカ(ロシア)」の威力も増しており、日本も手をこまねいてはいられない。そこでオリンピック熱に浮かされることなく、いまこそ日本独自の国富ファンドの立ち上げを、と提言する。

ここから広告です

広告終わり

このページのトップに戻る