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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事 うめ版 [写真]梅佳代 [文]新明解国語辞典[掲載]2008年02月29日夕刊 ■見方を変えると、世の中っておもしろい 日常の光景に潜む一瞬のおかしさを、天才的な感覚でとらえる梅佳代。木村伊兵衛賞を受賞した新進の写真家が、「新解さん」こと「新明解国語辞典」とコラボレートした写真集が本書である。好奇心に満ち満ちた梅佳代の写真と、新明解国語辞典の一見して人間くさい解説が融合し、見る者の笑いを誘う。 たとえば「実社会」の項目は次の通りだ。「実際の社会。〔美化・様式化されたものとは違って、複雑で、虚偽と欺瞞(ぎまん)に満ち、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す〕」。ふつうの辞書にはないユニークな解説。そして掲載された写真では、世間の荒波にもまれてきた中年の男性が、眉間(みけん)にしわを寄せて電話している。さらにページをめくると、同じ人物が穏やかな表情に変わり、その解説には「【人生意気に感ず】人間は、金銭や名誉のためにではなく、自分を理解してくれる人の暖かい気持に感じて仕事をする(引き受ける)ものだ」とある。梅佳代の写真と辞典の解説が、あたかも短編小説のような味わいをかもし出す。「凝り性」の男の子や「座席」の猫の項目などは、取り合わせが秀逸だ。まじめでありながら、どこかとぼけた映像と文章のコラボレーションが成功している。人々の営みや当たり前の日常がかもしだす面白さがしみじみと伝わる。
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