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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>BOOK TIMES> 記事 エコノミック・ヒットマン [著]ジョン・パーキンス[掲載]2008年02月29日夕刊 ■工作員が語る開発援助の裏側 タイトルのエコノミック・ヒットマン、略してEHMとは、聞き慣れない名称だ。かつてEHMだった著者はこう説明する。「世界中の国々をだまして莫大(ばくだい)な金をかすめとる職業だ」と。まるで詐欺師だが、実体はもっと複雑である。彼らが狙うのは石油などの資源をもつ途上国。その国の実力者、時には大統領といったトップクラスに巨額の国際融資をもちかける。ダムや発電所を造りましょう、と。EHMは、表向きはアメリカにあるコンサルティング会社のエコノミストであり、決して非合法な職業ではない。ただ、建設を請け負うのはアメリカ企業である。まず、ここで資金が還流させられる。やがて、途上国のほとんどは借金を返せなくなり、債権国の言いなりになる。軍事基地の設置や国連での投票など有利な取引がスタートするのである。途上国の国民生活は向上せず、むしろ格差は広がり、国力は落ちていく。それを指して「ヒットマン」と言っている。著者は自嘲(じちょう)的に「現代の奴隷商人」と呼ぶが。あのイラク戦争にもEHMが絡んでいる。 自らの仕事に疑念を抱いた著者は、脅しや買収をはねのけ、ついに手記を書き上げる。それが本書だ。ただ、著者がエピローグで書くように本書は告白であって処方箋(せん)ではない。この衝撃的な事実の前で、いかに対応するかを考え、決めるのは私たち自身なのである。 ◇ 古草秀子訳
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