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ビート・ジェネレーション―ジャック・ケルアックと旅するニューヨーク [著]ビル・モーガン

[掲載]2008年03月28日夕刊

■本書とともにビート文学を歩いてみよう

 タイトルからして、旅行ガイドブック風である。中身も、ニューヨークを九つの区域に分け、それぞれを1章として、区域ごとの地図、徒歩で歩く際の所要時間、アクセス方法、その後に地図に記された建物や施設の解説がつづいていくのだ。しかし、そんな見かけにだまされてはいけない。著者の案内に従い読み進めていくと、本書が単純なニューヨーク案内などではないとすぐに分かる。ケルアックやギンズバーグ、バロウズなどの小説家や詩人によって形成されたビート・ジェネレーション文学をたどる旅になっているのだ。

 たとえば、「チェルシー」の章で20丁目ストリートの端にある4階建ての建物が取り上げられる。1951年、ここでケルアックは、代表作『オン・ザ・ロード』を書き上げた。タイプ用紙をつなげた長い長い巻紙に休みなくタイプしていった、という著名な挿話とともに。息もつかせぬように、建物や場所にまつわる彼らのエピソードや写真が並べられていく。読み手には時代を行きつ戻りつしながら、作家や詩人、音楽家といった芸術家の、生き生きとした群像が浮かんでくるという仕掛けである。訳者があとがきで書いているように、読み終えた後、本書を片手にニューヨークの街を歩いてみたくなった。

    ◇

 今井栄一訳

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