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もういちど親子になりたい [著]芹沢俊介

[掲載]2008年03月28日夕刊

■親子に「なる」ことを改めて問い直す

 テレビや新聞を見ると、ほぼ連日のように親と子に関する事件が目につく。幼児虐待、あるいは子供による親への殺傷事件。いまや親子関係はゆがみ、壊れかけているように思える。本書で著者は、親子とは「親子になる」というプロセスを経て「親子である」に到達する関係なのだという。それは血縁であろうと、里親・里子であろうと変わらない、と。

 本書は、里親と里子とで展開される「親になっていく」プロセスを子細に見つめることで、改めて親子の絆(きずな)の作られ方を考えようとする。里親の元へ来た里子は三段階の行動を示す。良い子を演じる「見せかけの時期」、わがまま放題に振る舞う「試しの時期」、そして「親子関係が形成される時期」。「試しの時期」が数年続くこともあり、その間、多くの里親が、本当にこの子の親になれるのかと悩み、苦しむのだ。

 施設側は、養子縁組の前にこう説いている。結果が分からないことに人生を賭けられますか、と。そう、親子とは、子供の「そのまま、全(すべ)て」を受け入れる関係なのだ。里親は自らの手でその関係を築かねばならないが、決して不可能ではない。時に血縁の親子以上の強い絆を持てたりするのだから。いくつかの里親と里子との姿を読むと、現在は血のつながりがあっても「親子になる」プロセスを経ない関係が増加していることに気づくのである。

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