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袋小路の向こうは青空―認知症と生きていくためのヒント [著]鷹野和美

[掲載]2008年03月28日夕刊

■認知症を理解し共に生きる

 認知症はかつて「痴呆(ちほう)」と呼ばれた。言葉はかわったが、それでも認知症の親や配偶者を支える家族の苦労はそれほど改善されていない。今や認知症は介護を担う妻や夫あるいは家族の問題をこえて社会問題となっている。著者はケアのポイントは「いかに家族やスタッフが煮詰まらないか」につきるという。状況を受け入れ、地域で支えあえば、題名にあるようにその先に「青空」があるというのだ。

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 そうした励ましがけっして空論ではないことを本書は雄弁に語る。著者は諏訪中央病院の医療ソーシャルワーカー職をかわきりに、これまで介護、福祉の現場で数多くの支援を実践してきた。それだけに認知症の人を支えるために何が効果的か、著者が関係してきた具体的なノウハウが本書には詰まっている。北海道本別町ではたとえ認知症でも「もの忘れ散歩」ができるように地域の人の意識を変え、北海道栗山町では地方自治体における福祉政策の理想形を成功させるといった具合だ。

 かつて一緒に仕事をした鎌田實氏が「いい本です。役に立つ本です。優しさにあふれた本です。ていねいに生きた結果、たとえボケてもへっちゃらに生きていけそうな気にさせてくれる本です」と刊行に寄せてでこの本を絶賛。あらゆる分野の人にぜひ何度も読みなおしてほしいエッセー集だ。

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